NEW POST

【人間工学の基礎】エルゴノミクスとはどんな意味?人体寸法の略算値や可動域を画像で解説

人体工学 レオナルドダ・ヴィンチ 人体寸法

こんにちは、しけたむです。

この記事では

  • 「エルゴノミクスって何か聞くけどどういう意味?」
  • 「人間工学についてとにかく基礎の基礎から知りたい。」

という皆様に向けて、

人間工学の基礎について画像でしっかり解説します。

 

ナンタルカ
ナンタルカ
インテリア計画を進める上で、いっちばんの基礎とも言える使い手の寸法についての学問について解説しますにゃ!もっとも基礎からだからまずはここをしっかり覚えて欲しいですにゃあ〜

 

 

人間工学の基礎を覚えよう

人間工学とは?

人間工学 エルゴノミクス出典:Lean enterprise institute

 

インテリア計画を進める上で、最も基礎的な資料となるのが人間工学(にんげんこうがく)のデータです。

人間工学とは、人間のサイズや重量、動作、筋肉の動きなどを数量的に捉えて、それを空間設計や商品製作に役立てようとする科学のことです。

 

人間工学のことを、アメリカ圏では「Human Engineering(ヒューマンエンジニアリング)」、ヨーロッパ圏では「Ergonomics(エルゴノミクス)」と呼んでいます。

 

ナンタルカ
ナンタルカ
人間のみなさんが日常生活の中で自然な動きで動けるように、そして事故やミスが可能な限り少なくなるように物や空間の寸法や大きさを設計して実際のデザインに活かす学問のことですにゃ。これはナンタルカたちには必要が無い学問ですにゃあ〜

 

人体寸法とは?

 

人間工学を研究する上で根幹となる資料が人体寸法(じんたいすんぽう)です。

人体寸法には、人体そのものの寸法を示す「静的(せいてき)人体寸法」と、生活の中で人の動作と移動に必要な寸法や、人と物を組み合わせた空間の寸法を示す「動的(どうてき)人体寸法」があり、これらの計測値が建築・インテリアの分野では重要な資料となります。

静的人体寸法 動的人体寸法出典:monotsukuri.net

▲人体寸法には静的なもの(静止した人体寸法)と、動的なもの(身体の各部の移動や行為に必要な寸法)がある。椅子やベッドなどの家具の設計には静的な人体寸法が、建築系の家具の設計には動的な人体寸法が重要になる。

 

わたしたちが日常使っている様々な道具、家具や建物の大きさは人体寸法を基準につくられていますが、人体寸法がそのままズバリでモノの設計寸法になるわけではありません。

空間の設計では人体寸法とともに、人の行き来がしやすいように、またゆとりを持って動作ができるように「あき」や「ゆとり」のスペースを設けて設計する必要があります。

 

あき ゆとり 人体寸法 家具占有率出典:株式会社オカムラ

▲例えばオフィスだと、人体寸法が許す限りデスクや収納家具を配置すると「あき」や「ゆとり」の無い窮屈な空間となる。家具占有率55%の室内(右)から青い色のデスクと収納を撤去して家具占有率を45%にまで下げると、通りやすく使いやすい空間となった。

 

家具占有率 あき ゆとり 部屋出典:Interior Style

▲住宅の室内でも同じように、人体寸法の「あき」と「ゆとり」を考慮しないで家具を詰め込むと暮らしにくいイケてない部屋となってしまう。

 

ナンタルカ
ナンタルカ
「あき」や「ゆとり」の寸法を考えずに人体寸法をそのまま設計寸法としちゃうと、物質的にも心理的にも使いにくい家具や空間になってしまいますにゃあ〜

 

また、人体寸法は民族、年齢、性別などによって大きく異なることにも留意しなければなりません。

例えばさまざまな人体寸法の平均値を採用してソファを作った場合、このソファのサイズにばっちり適合する人は平均値に近い人体寸法(体格)を持つ人たちに限られてしまい、平均値から外れた人体寸法を持つ人々にとっては使いにくいソファとなってしまいます。

そこで、平均値と共に標準偏差(=平均値の周りにばらついている数値)も考慮して、設計を進めることも重要です。

 

ナンタルカ
ナンタルカ
大人も子供も、日本人も外国人も、みんなが使いやすい寸法とデザインにすることが大事なんですにゃ!

 

略算値(りゃくさんち)とは?

 

高さ方向の人体各部の寸法は身長とおおよその比例関係にあるため、身長を基準にして必要寸法を略算(※)することができる。

下図のような略算値を覚えておくと、設計の際に便利である。

※略算(りゃくさん)とは

近似値を求めるときに、その誤差を許される範囲内にとどめることを条件として、計算の手数を簡単にする方法のこと。

ちなみに略算値(りゃくさんち)とは、略算の値のこと。

略算値出典:note

▲身長(H)を基準として上記の数値を乗すれば、略算値を求めることができる

 

上図の人体寸法の略算値には記載がありませんが、

肘から指先までの長さ = 0.25H

という略算値もよく使用されます。

肘から腕 略算値出典:日経Gooday

▲あなたの腕から指先までの長さは、身長の4分の1になりますか?

 

この略算値を応用すると、

身長(H)+ 肘から指先までの長さ(0.25H)= 1.25H

となり、「手をまっすぐ上に伸ばした時の高さ」の略算値を求めることができます。

 

ナンタルカ
ナンタルカ
窓の高さや天井までの高さなど、おおよその高さを測りたい時に用いられることがあるので覚えておくにゃあ〜

 

人体各部の質量比

人体寸法 質量比出典:時は素敵な暮らしなり

▲座った姿勢での人体寸法の質量比。頭部、腕部、膝(ひざ)から下部がそれぞれ約8%の質量比になることを覚えておけば良い。

 

人体寸法の質量比も設計の際に用いられます。

例えば上の図を見ると、人体の部位の中で頭部の重さは体重の 8% を占めていることが分かります。

背もたれの無いスツールに腰掛けた場合、膝から下の重さを除く 約84% の重さがスツールにかかると計算できるということです。

 

(100% ー (6%+2%)× 脚2本)= 84%

 

背もたれの無いスツールでは無く、休息性の高い背もたれのあるソファだと、座面と背もたれにより重さが分散されます。

 

人体寸法の質量比は人間の成長によって変化し、生まれた時は頭部の質量比が大きいですが、成長するに従い胴体や四肢の質量比が大きくなります。

 

ナンタルカ
ナンタルカ
立った姿勢での人体の重心は、おへその少し下あたりにある、ということも覚えておくと良いですにゃあ〜

 

人体の4つの姿勢

人体 姿勢 立位 座位 臥位出典:しかくしか

 

人体がとる姿勢は、多く分けて次の4種類に分類されます。

直立や前かがみ、中腰の姿勢を「立位(りつい)」、椅子に腰掛けたり壁へ寄りかかったりした姿勢を「椅座位(いざい)」、しゃがんだり四つん這い、正座やあぐらをかいた姿勢を「平座位(へいざい)」、うつ伏せや仰向けで横になっている姿勢を「臥位(がい)」といいます。

 

立位(りつい):直立、背伸び、前かがみ、中腰

椅座位(いざい):寄り掛かり、腰掛け

平座位(へいざい):しゃがみ、四つん這い、正座、あぐら

臥位(がい):伏臥(ふくが:うつ伏せ)、仰臥(ぎょうが:仰向け)

 

作業域とは?

 

一定の場所にいる人間が、手足など身体各部位を動かすために必要な空間領域のことを作業域(さぎょういき)、または動作域(どうさいき)ともいいます。

 

私たちが何か作業をする際に、デスクや作業台の上のような水平面で行われることが多いですが、このような平面で行われる作業域を「水平作業域」といい、さらにそれは最大限に手を伸ばして届く範囲の「最大作業域」と、肘を曲げて楽に動かせる範囲の「通常作業域」に分けられます。

水平作業域 最大作業域出典:しかくしか

▲カリフォルニア大学のBarnes (バーンズ)教授は戦前から人間工学の研究を行っていて、アメリカ人の最大作業域と通常作業域を提唱した。戦後、アメリカ海軍のSquires (スクアイアース)はバーンズの数値を修正して、上図緑色の通常作業域が好ましいとした。

 

また上下方向で手の届く範囲を垂直作業域、水平作業域と合わせた立体的な手の届く範囲を立体作業域といいます。

 

■水平作業域:水平方向で手の届く作業域

・通常作業域:肘を曲げて楽に動かせる作業域

・最大作業域:最大限に手を伸ばして届く作業域

■垂直作業域:上下方向で手の届く作業域

■立体作業域:水平作業域と垂直作業域を組み合わせた空間のこと

 

ナンタルカ
ナンタルカ
日本の成人男性の通常作業域は約39cm、最大作業域は約50cmとされていますにゃ。でもこの作業域では女性や身体の大きな外国人には使いにくかったりもしますにゃあ〜

 

ナンタルカのまとめ

ナンタルカのまとめ

 

ナンタルカ
ナンタルカ
今回の記事で絶対におさえておきたいポイントですにゃ!

 

まとめ小テスト

 

■人間工学とは

インテリア計画を進める上で、最も基礎的な資料となるのが(①)のデータで、人間工学とは、人間のサイズや重量、動作、筋肉の動きなどを数量的に捉えて、それを空間設計や商品製作に役立てようとする科学のことである。アメリカ圏では「(②)」、ヨーロッパ圏では「(③)」と呼んでいる。

回答を見る

①人間工学 ②ヒューマンエンジニアリング ③エルゴノミクス

 

■人体寸法とは

人体寸法には人体そのものの寸法を示す「(①)」と、生活の中で人の動作と移動に必要な寸法や、人と物を組み合わせた空間の寸法を示す「(②)」があり、これらの計測値が建築・インテリアの分野では重要な資料となる。また空間の設計では人体寸法とともに、人の行き来がしやすいように、またゆとりを持って動作ができるように(③)や(④)のスペースを設けて設計する必要がある。

回答を見る
①静的人体寸法 ②動的人体寸法 ③あき ④ゆとり

 

■略算値とは

高さ方向の人体各部の寸法は身長(H)とおおよその比例関係にあるため、身長を基準とした(①)を用いて求めることができる。代表的な(①)である「手をまっすぐ上に挙げた時の高さ」は(②)となる。

回答を見る
①略算値 ②1.25H 

 

■人体の4つの姿勢

人体がとる姿勢は多く分けて4種類に分類される。直立や中腰などの姿勢である(①)、椅子に座っている姿勢である(②)、正座や地面にしゃがんだ姿勢である(③)、寝ている姿勢である(④)がある。

回答を見る
①立位 ②椅座位 ③平座位 ④臥位

 

■作業域とは

デスクや作業台の上のような水平面で行われる作業域を(①)といい、さらにそれは最大限に手を伸ばして届く範囲の(②)と、肘を曲げて楽に動かせる範囲の(③)に分けられます。

回答を見る
①水平作業域 ②最大作業域 ③通常作業域

 

お疲れ様でした。

ここまで読んで頂きありがとうございます。

わからないことや分かりにくい箇所があれば、ぜひお問い合わせよりご連絡ください。

 

次回もお楽しみに!

 

▼次回記事、人間の行動特性はこちらから▼

ソシオペタル
【人間の行動特性】ストレスを感じないパーソナルスペースの距離とは?を画像で解説この記事では人間の行動特性について画像で解説しています。人間工学の後編では、ポピュレーション・ステレオタイプやエドワード・ホールの4つの距離、パーソナルスペースや集団での配置のかたちについて学習しましょう。インテリアコーディネーター、建築士などの資格勉強に最適です。...