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【ルネサンス様式(前編)】ルネサンスとは何か?特徴やポイントを画像で徹底解説【世界のインテリアの歴史④−1】

ルネッサンス ヴィーナスの誕生

 

 

こんにちは、しけたむです。

 

 

この記事では

 

 

  • 「ルネサンスという言葉はすごい聞いたことがあるけど、説明はできない。」
  • 「そもそもルネサンスは芸人のネタだと思っていた。」

 

 

という人のために

 

ルネサンス様式の特徴を分かりやすく写真付きでご紹介していきます。

 

 

ナンタルカ
ナンタルカ
ルネサンスはイタリアのフィレンツェで始まり、全ヨーロッパに広がり開花した様式ですにゃ!『ギリシャ・ローマ古典文化の再生』を意味するんにゃけど、他の文化と混同しないように注意するにゃー

 

 

 

 

 

ルネサンス様式とは?

ヴィーナスの誕生出典:Smartravel

▲ルネサンス期のイタリアの画家サンドロ・ボッティチェッリの作品『ヴィーナスの誕生』(1483年)

 

 

ルネサンス(Renaissance)はルネッサンスとも呼ばれ、「再生」「復活」を意味するフランス語です。

 

 

ギリシャやローマ時代の古典古代の文化を復興しようとする文化運動、及び芸術様式のことで、14世紀にイタリアのフィレンツェで始まり、15−16世紀に最盛期を迎え、西欧各国に広まりました。

 

 

ナンタルカ
ナンタルカ
「ゴシックよりもロマネスクよりも、さらに古い建築様式こそ建築の源流であり秀でたものである」と、古典建築が再び見直されてルネサンス建築として復活するんだにゃ!!

 

 

ルネサンスは類稀なる天才的芸術家を輩出した時代で、

ミケランジェロ『ダビデ像』などの彫刻や

ダビデ像 ミケランジェロ出典:Japanese class

▲身の丈5.17メートルという巨大な大理石の石像『ダビデ像』(1501-1504)

 

 

 

レオナルド・ダ・ヴィンチによる『モナ・リザ』『最後の晩餐』などの絵画が有名です。

最後の晩餐出典:Wikimedia commons

▲ミラノにある修道院の食堂に描かれたもので、ほとんどの作品が未完とも言われるレオナルドの絵画の中で、数少ない完成した作品の一つ『最後の晩餐』(1495−1498)

 

 

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ルネサンスの装飾の特徴と代表的建築

 

 

ルネサンスの建築は古典建築で用いられたオーダーシンメトリー(左右対象)構成が重視され、外観は直線的で水平線が強調されたデザインとなっています。

 

 

 

水平線の強調と階層の区分にはコーニス(蛇腹)が用いられました。

コーニス 蛇腹

コーニスは上下階の仕切りに用いる横架材で、シンメトリーと水平線が強調されます。

 

 

 

また、コーニスは建物を雨水から保護するために突出しています。

コーニス出典:Drawer Pro

 

 

サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂

サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂出典:Wikimedia Commons

▲巨大なドーム(ドゥオモ)が特徴的な大聖堂はフィレンツェのシンボルとなっている

 

 

サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂は、フィレンツェ大聖堂という通称で呼ばれるイタリアのフィレンツェにあるキリスト教・カトリックの教会です。

 

 

 

 

ルネサンス期に建築された代表的な建築物で、1296年の着工から1436年の竣工まで、140年以上をかけて建設されました。

 

 

 

 

ルネサンス期の最初の建築家であるフィリッポ・ブルネレスキをはじめ、建築期間が長かった為、数多くの建築家たちが建築に携わりました。

 

 

 

 

また2つの時代の建築様式が混在した建築物となっているのが特徴的で、イタリアにおける晩期ゴシック建築および初期ルネサンス建築(1400年〜1475年頃)の特徴が各所に現れています。

サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂 フィレンツェ出典:OPERA DI SANTA MARIA DEL FIORE /フィレンツェ大聖堂

▲外装には白、緑、ピンクの大理石が使用されている。天に向かって高く伸びたファサードやバラ窓、トレーサリーの装飾や尖頭アーチはゴシック様式の特徴。

 

Cattedrale di Santa Maria del Fiore出典:PICTOREM

▲身廊の尖頭アーチは晩期ゴシック期に造られた

 

フィレンツェ ドーム ドゥオモ出典:Culture Trip

▲大聖堂のドームは初期ルネッサンスの代表的な特徴の一つ

 

 

▼ゴシック様式の特徴はこちらから再確認!▼

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テンピエット

テンピエット出典:GEOS NEWS

▲16本のオーダーやドームなどの古典建築の要素が盛り込まれた外観

 

 

テンピエットとは『サン・ピエトロ・イン・モントリオ教会』の中庭にある小さな礼拝堂で、1502年頃にルネサンス期を代表する建築家であるドナト・ブラマンテが建築し、盛期ルネサンス建築(1475年〜1527年頃)の最高傑作と言われています。

 

 

 

ブラマンテはテンピエットの設計について古代の劇場を参考にして設計したといわれていて、テンピエットはその後のドーム建築の基本になりました。

テンピエット出典:LINE/Tempietto

▲テンピエットの内部は彫刻で飾られ、床には美しいモザイクタイルが敷かれている

 

 

 

ローマのサン・ピエトロ大聖堂(後述)や、アメリカ合衆国議会議事堂などのドームもテンピエットを参考にして建設されました。

アメリカ合衆国議会議事堂 ドーム出典:トラベルブック

▲18世期に建築されたアメリカ合衆国議会議事堂はテンピエットを参考にして造られた

 

 

 

サン・ピエトロ大聖堂

サン 聖ピエトロ大聖堂出典:GARELIA SAVALIA

▲ファサードには大型のコリント式オーダーが立ち並ぶ。中央にあるオーダー4本は手前にせり出し、豪華で荘厳な印象を強く与えるデザインとなっている

 

 

サン・ピエトロ大聖堂は、バチカン市国にあるカトリック教会の総本山で、聖ペテロ大聖堂』と表記されることもあり、16世紀初旬の盛期ルネサンスに建築がスタートし、後期ルネサンスを超え17世紀初旬のバロック期に完成します。

 

 

 

大聖堂は100年以上の長い年月を掛けて建築された為、

 

■ブラマンテ、ラファエロらによるオーダーなどの古典主義やドームといった盛期ルネサンスの要素

 

■ミケランジェロによる後期ルネサンス(マニエリスム)の新奇的な要素

 

■バロック期の芸術家ベルニーニによる大聖堂内外の装飾や美術、サン・ピエトロ広場にみられるバロック期の要素

 

・・・という3つの要素を持ち合わせた壮大な建築となっています。

 

 

ナンタルカ
ナンタルカ
ルネサンスとひとことで言っても、200年近く続いた時代だから芸術のトレンドも大きく変わっていったんだにゃ!分かり易くまとめましたので、一つ一つ理解していくにゃ!

 

 

 

 

 

現在のサン・ピエトロ大聖堂は1626年に竣工された2代目で、初代の大聖堂はその遥か昔の4世紀ごろに創建されていました。

サン・ピエトロ大聖堂 初代出典:The Liturgical movement

▲建て替え前の初代サン・ピエトロ大聖堂の想像図(15世期頃

 

 

1499年に当時のローマ教皇が老朽化が激しく、側壁が外れ、今にも落ちそうな屋根の初代大聖堂を見て、まずは改修を行うことを思い立ちました。

 

 

 

1505年頃に ローマ教皇ユリウス2世によって改修の決定が行われましたが、計画がどんどん膨らみ、最終的には全面的に建て替える壮大な計画になりました。

 

 

 

 

設計コンペによって、テンピエットを建築した建築家であるドナト・ブラマンテが主任建築家に選ばれ、1506年から着工がスタートします。

 

 

 

1510年には、大聖堂のドームを支持する4つのアーチが完成し、工事は順調に進んでいました。

 

 

 

 

 

・・・しかしここで大きな問題が発生してしまいます。

 

 

 

 

 

工事を始めたローマ教皇ユリウス2世は1512年、建築家のブラマンテは1514年にそれぞれ他界してしまい、サン・ピエトロ大聖堂の工事現場には4本の柱とアーチだけが残された状態になってしまったのです。

ドナト・ブラマンテ出典:Wikimedia commons 

▲ローマ教皇ユリウス2世の死に加え、ブラマンテ逝去の後、大聖堂の工事は大混乱に陥った。『ドナト・ブラマンテの肖像画』(1769年)

 

 

 

次のローマ教皇レオ10世はブラマンテの後任に、画家であり建築家のラファエロ・サンティを指名しました。

 

 

 

 

ラファエロはブラマンテの同郷の後輩でもあり、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロとともに『盛期ルネサンスの三大巨匠』といわれている天才的芸術家でした。

 

 

 

 

新たな建築担当者がラファエロに決まり、大聖堂の工事を再スタートしようとしていた矢先、ローマ教皇レオ10世は、

 

「ブラマンテが計画していた集中式プランは、ミサなどが行いにくくて実用面で問題があるな。」

 

・・・などブラマンテが設計したプランの欠点を指摘し始めました。

 

 

 

 

ラファエロは依頼主であるローマ教皇の要望に従い、ブラマンテが計画していた『集中式』プランから、ラテン十字形の身廊を備える古典的な『バシリカ式』プランへの設計変更余儀なくされました。

 

 

▼集中式、バシリカ式の教会建築についてはこちら▼

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・・・しかし、ここで再び大きな問題が発生してしまいます。

 

 

 

 

 

1520年、工事は進展しないまま、設計変更を行っている最中のラファエロが病によって急逝、翌年にはローマ教皇レオ10世も相次いで亡くなってしまったのです。

ラファエロ出典:Ado

▲病に倒れた三大巨匠のラファエルは、37歳の若さでこの世を去った

 

 

その後、ローマが侵略されたり財政不足から、大聖堂の建設はほぼ何も進みませんでした。

 

 

 

1532-1536年にローマを訪れたオランダ人画家が、当時の大聖堂をスケッチしたものが現在に残っています。

 

 

 

スケッチによるとドームを支える柱と架けられたヴォールト以外の主要構造部分はほとんど工事が進んでいない上に、長らく放置されたために雑草が生えています。

サン・ピエトロ大聖堂 工事中出典:Cambridge University press

▲1532−1536年ごろのサン・ピエトロ大聖堂の荒れ果てた工事現場のスケッチ

 

 

ラファエロの死から26年もの歳月が経った1546年ごろ、ついに三大巨匠の最後の一人であるミケランジェロに白羽の矢が立ち、後任の主任建築家に選ばれました。

 

 

 

 

このとき彼はすでに71歳と高齢でしたが、超人的な能力でこの計画を押し進め、工事の規模自体を縮小するなどしてコストを切り詰め、さらに造営工事の進捗を促しました

ミケランジェロ▲ルネサンスの三大巨匠最後のひとり『ミケランジェロ・ブオナローティ』

 

ミケランジェロは無給で晩年の17年間を大聖堂建築に捧げ、彼の没年である1564年に、工事は大聖堂のドーム建造の手前あたりまで到達したのです。

 

 

 

 

ミケランジェロの死後、戦争などの影響で工事は一時停滞したものの、ドームは1588年から1590年にかけて昼夜を問わず工事が進められて架けられ、頂塔(ドームのてっぺん)は1593年に完成しました。

ドーム ドゥオモ出典:Italy guides.it

▲サン・ピエトロ大聖堂のドームとてっぺんに見えるのが『ランタン』と呼ばれる頂塔

 

サン・ピエトロ 頂塔 ランタン 夜出典:Visitvaticancity

▲灯りで照らされるドームとランタン

 

 

1598年にはサン・ピエトロ大聖堂の内装も着工し、紆余曲折ありましたが1615年ごろにようやく完成に至りました。

Basilica di San Pietro in Vaticano出典:Flickr

▲大聖堂の中央身廊は最大高さ46メートル。教会建築としては世界最大の大きさを誇る。

 

 

ルネサンス期に建て替えがスタートしたサン・ピエトロ大聖堂でしたが、工事が終わってみると時代はすでにバロック期となっていました。

 

 

 

その為、後期ルネッサンス様式だけでなくバロックで見られる建築の特徴が随所に見られます。(後述します)

 

 

 

 

このバロックを代表する建築のひとつに、サン・ピエトロ大聖堂の前に広がるサン・ピエトロ広場があります。

サン・ピエトロ広場 バチカン ベルニーニ

▲サン・ピエトロ大聖堂の奥上から見るサン・ピエトロ広場とローマ市街の眺め

 

 

この広場は、バロック期の建築家ジャン・ロレンツォ・ベルニーニという新たな天才による設計により、1656-67年に建設されることになります。

 

 

▼新たな天才ベルニーニの活躍は次回記事で!▼

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パラッツォ

パラッツォ・メディチ出典:Feel Florence /パラッツォ・メディチ

▲パラッツォ・メディチの外観。一般的なパラッツォは3〜4層構造が主流だった。

 

 

当時の富豪が住む住宅、宮殿をパラッツォと呼びました。

 

 

パラッツォはイタリア語で『邸館』を意味する言葉で、1444~59年にフィレンツェに建設されたメディチ家の邸宅(パラッツォ・メディチ)』が有名です。

 

 

 

パラッツォには基本的には優雅な中庭があり、外観は石材の凹凸を際立たせるような荒々しくて強い表情を持ったモニュメントとしての性質が強い建築が多いです。

Madonna di Palazzo Medici Riccardi出典:abstrART/Palazzo Medici 

▲コリント式オーダーに囲まれたパラッツォ・メディチの中庭

 

パラッツォ メディチ出典:Firenze Card

▲パラッツォ・メディチのファサードは3層構成になっており、上階に行くほど繊細な表現になる。また水平線を強調するためのコーニスが使用されている。

 

 

ナンタルカ
ナンタルカ
アーチ型の窓が横に連続しているのはロマネスク文化で見られたアーケード装飾だにゃ!

 

 

ヴィラ

エステ家 ヴィラ出典:Rome guide tours

▲ローマ郊外のティボリに造られたエステ家別荘

 

ヴィラとは富豪が所有していた別荘のことです。

 

 

ルネサンス期のヴィラは、一般には季節を楽しむ別荘として都市からあまり遠くない場所に建てられました。

 

 

特に有名なヴィラは、ローマ郊外にあるチボリ(ティヴォリ)にあるエステ家所有の巨大ヴィラです。

▲パイプオルガンの自動演奏装置の付いた『オルガンの噴水』

 

 

後期ルネッサンス期の代表的な庭園で、イタリア一美しい噴水庭園として称えられています。

 

 

2001年にはユネスコの世界遺産に登録され、4.5ヘクタールという巨大な敷地には噴水が500基以上、そして数々の彫刻が並べられています。

 

 

ナンタルカ
ナンタルカ
1944年の第二次世界大戦時の爆撃で破壊されましたが、今は修復されて人気の観光地となっていますにゃ!

 

 

ルネサンスの家具や装飾

ダンテスカ

ダンテスカ出典:THE MET

▲ルネサンス期に使用されていた現存する貴重なダンテスカ。エルムと呼ばれる木が使用されていて座面と背中はレザー張り、木は象嵌細工で装飾されている(16世紀)

 

 

13−14世紀のフィレンツェ出身の詩人でもあり文学者であるダンテ・アリギエーリが愛用したことからその名が付けられたダンテスカ

 

 

 

古典様式(古代ローマ)に影響を受けたデザインで、折りたたみ式のようなデザインでその見た目から間違いやすいですが、ダンテスカは折りたたみ式の椅子ではありません

 

ダンテスカは重量があり持ち運びには不向きだったので、持ち運び椅子にはサボナローラが使用されました。

 

 

 

上流階級の人々が社交場で使用したと考えられています。

ダンテスカ バルトロメウス・ファン・デル・ヘルスト出典:Wikimedia Commons

▲1655年にオランダの画家バルトロメウス・ファン・デル・ヘルストによって描かれた絵画の中のダンテスカ(左の男が座っている椅子)

 

 

サボナローラ

サボナローラ出典:THE MET

▲座面のテキスタイルは15世紀当時のもの、その他全ては19世紀に作り直されている

 

 

サボナローラ(サヴォナローラ)は、ダンテスカと同じような折りたたみ式のチェアで脚が(細長い木で連続して組んでいる)になっているのが特徴です。

中央のジョイントで交差する湾曲したフレームのために「X(エックス)チェア」または「はさみチェア」とも呼ばれることがあります。

 

 

 

ダンテスカに比べると軽量な作りとなっていて、当時のサボナローラの背もたれと座席はベルベット、シルク、または革で装飾され、しばしば刺繡が施されていました。

サボナローラの素材には主にが使用されましたが、青銅、または鉄で作ることもあったそうです。

サボナローラ 横から サイド出典:THE MET

▲背中の板を取り外すことによって折りたたむことができる

 

 

ちなみにサボナローラという名称は、かつてフィレンツェを救ったイタリア人の修道士『ジローラモ・サボナローラ』が使用していたことに由来しています。

 

 

 

スガベルロ

スガベルロ Sgabello出典:THEMET

▲ウォルナット材で作られたスガベルロ(16世紀後半)

 

スガベルロ(Sgabello)はスガベッロとも呼ばれ、イタリア語で「丸椅子」を意味するちょっと奇妙なカタチをした椅子です。

 

 

 

スガベルロの特徴は背もたれと板状になった脚部に装飾性に富んだ彫刻が施されていることで、座面が六角形や八角形になっているもの座面の下が収納になっているものなどもありました。

 

 

 

座面の下が収納になっている椅子は、もともと中世の収納箱が腰掛け椅子へと発展したと考えられています。

スガベルロ スツール Stool出典:THE MET

▲ストレッチャー(背もたれ)の無いスガベルロは、スツールとしてだけでなくサイドテーブルとしても用いられた(16世紀頃)

 

 

スガベルロは社交場に置かれたのはもちろん、その装飾性の高さから富裕層の邸宅の玄関廊下などにも好んで取り入れられました。

スガベルロ Sgabello出典:WahooArt

▲1653年にオランダの画家バルトロメウス・ファン・デル・ヘルストによって描かれた絵画の中のスガベルロ(中央の男が座っている椅子)

 

 

 

カッサパンカ

カッサパンカ

 

カッサパンカは宮殿や屋敷など富裕層によって用いられた長椅子で、豪華な彫刻が施されたデザインが特徴的です。

 

 

 

カッサパンカ(cassapanca)という名称は、イタリア語の収納という意味の「カッソーネ」とベンチという意味の「パンカ」が語源となっていて、その名の通り座面になったフタを開くと収納になっています。

カッサパンカ出典:THE MET

▲カッサパンカのデザインは椅子と異なりほぼ全てが1点もので、まさに家具作家が魂を込めた芸術品であった。ウォルナット材を用いられることが多かった為、火災などによる焼失で当時のまま現代に残るものは少ない『Cassapanca』(16世紀頃)

 

 

カッソーネ

カッソーネ出典:La vella donna

 

カッソーネは14~16世紀のイタリアで製作された婚礼用収納家具で、伝統的に2セット作られ、それぞれに新郎と新婦の家紋が描かれました。

 

 

 

カッソーネは家族の富の象徴と見なされていて、家庭用家具の中で最も貴重なものであったため、収納家具の外側には浮彫や象嵌(※)細工などが施され、彫刻や豪華で美しい絵で飾られました。

(※金属・陶磁器・牙(きば)・木材などに模様などを刻み込んで、そこに金属や木材その他の材料をはめ込んだもの。)

カッソーネ

カッソーネ 近影 出典:THE MET

▲オスマン帝国とビザンチン軍の戦いが描かれたカッソーネ(1461年)

 

 

タピスリー

タピスリー タペストリー 2出典:THE MET

▲ルネサンス期の画家ベルナールト・ファン・オルレイによる『The Last Supper』(1525−1528)

 

 

タピスリーとはタペストリーとも呼ばれ、麻・ウール・絹などを用いて、絵や模様を織り出したつづれ織り(※)のことです。

(※横糸だけで模様を表現した織物のこと。)

 

 

 

しかし東洋で織り出されたつづれ織りとはサイズ、用途、材料、様式などは異なり、このタピスリーは壁掛け装飾品として使用されました。

タピスリー タペストリー出典:THE MET

▲後期ルネサンス期の画家ペリーノ・デル・ヴァーガによる『Jupiter and Juno』(1532−1535)

 

 

まるで絵画のようなタピスリーは、1枚が完成するまでに3年を要する作品もあるという大変に高価な代物でした。

 

 

ナンタルカ
ナンタルカ
タピスリーより、タペストリーの方がみなさん馴染みのある言葉かもしれないにゃ。「タピスリー」はフランス語読みで、「タペストリー」は英語読みだにゃあ。

 

 

 

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お疲れ様でした。

 

ここまで読んで頂きありがとうございます。

 

ルネサンスの記事でわからないことやお気づきのことがあれば、

メールでご連絡いただけますと喜びます。

 

次回もお楽しみに!

 

 

▼ルネサンス(後編)はこちらからどうぞ!▼

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