こんにちは、しけたむです!
この記事では
- 「和のテーブルウェアについて画像で確認したい。」
- 「懐石料理の献立や配膳の順番について種類が多くて覚えられない、、、。」
という皆様に向けて、和のテーブルウェアについて画像で解説してゆきます。
テーブルウェアとは?
テーブルウェアとは食事の際に用いられる食器やテーブルリネンなどの道具類のことを指し、和食器や洋食器なども含みます。
テーブルウェアをテーブルに配置し、花などの装飾を加えて料理を提供するタイミングを計り、食空間を演出することをテーブルコーディネーションといいます。
懐石とは
出典:WATOBI
懐石(かいせき)とは日本料理の一種で、茶の湯の主催者である亭主がお客様をもてなすために出される食事のことで、懐石料理(かいせきりょうり)とも呼ばれます。
正式な茶会では茶を喫する前に提供され、その献立内容はかなり簡素です。
戦国時代の有名な茶人、千利休(せんのりきゅう)が記した書には、茶会の食事である懐石のことを「会席(かいせき)」と記していて、本来は会席料理(※)と同じ起源だったことが分かります。
※会席料理と懐石料理の違い
一般的に「懐石料理」は茶室で提供される料理であるのに対して、「会席料理」は料亭や宴席で提供される料理のことを指します。
また提供される料理の順番も異なり、 懐石料理ではご飯や汁物が最初に提供されるのに対して、会席料理ではご飯や汁物の提供は一番最後になります。
▼千利休って誰だっけ?て方はこちらから▼
江戸時代になって茶道が徐々に体系化されるようになると、禅宗で用いられていた「懐石」という言葉が当てられ、次第に会席とは区別されるようになりました。
懐石の流れ
①飯、汁、向付(むこうづけ)
▲ 折敷(おしき:脚のない膳のこと)に乗せて運ばれる飯碗(左)、汁碗(右)、向付(奥)
懐石料理では、独特な配膳のルールがあります。
まず飯碗、汁碗、向付(むこうづけ:後述)を乗せた折敷(おしき:脚のない膳)を茶の湯の主催者である亭主が自ら運んでお客さんに手渡します。
箸は折敷の縁に乗せて出されるため箸置きは用いられず、飯碗と汁椀には塗り物の蓋付き椀が、向付には陶磁器製のお皿を用いるのが一般的です。
汁は全て飲み切り、向付は後ほど酒が出された時に箸を付けるのがマナーとされています。
向付
出典:KOTOWAKA
▲向付の器には陶磁器を用いるのが一般的。器の形は丸型、扇型、幾何学型、葉形など多種多様。
向付(むこうづけ)とは懐石料理の献立中の一品で、「向こう、お向こう」とも呼ばれます。
飯碗や汁椀の向こう側に置かれることからこのような名称となりました。
向付は一汁三菜(※)の1菜目に当たるもので、膾(なます:魚や貝、野菜などを細く刻んで生のまま調味酢で合えた料理)や刺身を盛るのが一般的です。
※一汁三菜(いちじゅうさんさい)
一汁三菜とは日本の食事形式の特徴を表した言葉で、和食の基本であると同時に懐石料理の基本でもあります。
日本人の主食である「ご飯」に、「汁物」と3つの「菜(おかず)」で構成されています。 菜三種のうち、一種が「主菜」、残りの二種が「副菜」と呼ばれます。
②酒
出典:楽天市場
お客さんたちが汁を飲み終わった頃合を見て、亭主が銚子(ちょうし:日本酒を燗して盃に注ぐための取手がついた酒器)と盃(さかずき)を運んできて、酒を注いでくれます。
お客さんたちはここではじめて向付の肴に手を付けます。
③煮物
出典:丸峰日記
▲煮物には飯碗や汁椀よりやや大きめの蓋付きの煮物椀が用いられる。
酒が出された後、一汁三菜の二菜目にあたる煮物が煮物椀に盛られて出されます。
煮物は懐石のメインに相当する料理で、練り物、麩(ふ)、湯葉、野菜などを彩りよく盛って、すまし汁仕立てなどにされることが多いです。
④焼物
出典:Quora
焼物は一汁三菜の三菜目にあたり、煮物がお客さん一人一人に配られるのに対して焼き物はひとつの鉢や器に盛られた料理を青竹などの取り箸で取り回します。
取り箸で取り分けた焼物は、向付か煮物椀の蓋に乗せてから頂くのがマナーです。
⑤預け鉢(あずけばち)、強肴(しいざかな)
懐石料理では、一汁三菜に加えて「預け鉢(あずけばち)」や「強肴(しいざかな)」と称する料理が提供されることがあります。
預け鉢
出典:水の茶湯の徒然
▲預け鉢は一人に一つずつではなく、鉢に客の人数分を一緒に盛って、取り箸を添えて客に預け、客が自分の分を各自取り回す。
預け鉢(あずけばち)とは懐石料理の献立の一つで、一汁三菜(いちじゅうさんさい)以外に亭主の心づかいで提供される取り箸(とりばし)を添えた料理をいいます。
預け鉢も焼物と同じ様に、大きめの鉢に盛り合わせた料理を取り箸を使ってみんなで取り分けるようなスタイルです。
預け鉢に盛られる料理内容は、汁けの多い炊き合わせや和え物などが主なもので、一汁三菜の最後にあたる焼物のあとに提供されるのが一般的です。
預け鉢は一汁三菜を提供し終わったあとに「亭主相伴(ていしゅしょうばん)」といって、亭主が水屋(みずや:茶室に付属する台所のようなところ)で軽い食事をとりますが、その際に「客にお預けする料理」という意味からこの名があります。
強肴(しいざかな)・進肴(すすめざかな)
出典:うつわやまと
強肴(しいざかな)とは、懐石料理で酒を勧めるために本来の献立に加えて出す肴のことで、「進肴(すすめざかな)」とも呼ばれます。
「強いてもう一品すすめる肴」という意味からこの名があり、和え物、揚げ物、酢の物、ひたし物など盛られる料理の種類は多種多様です。
⑥吸物(すいもの)
末席に座っているお客さん(末客:まっきゃく)が、空いた鉢や銚子などを給仕口(きゅうじぐち:出入り口のこと)に返すと、亭主は頃合いを見て吸物(すいもの)を運んできます。
吸物は食事の最後に出される汁物で、味付けはごく薄く「箸洗い」または「すすぎ汁」とも呼ばれます。
箸洗い(はしあらい)
箸洗い(はしあらい)とは、懐石料理で食事の最後に出される口直しの吸物のことです。
「食事に使った箸の先を洗う」という意味で出される箸洗いの味加減はごく薄味で、白湯(さゆ)に梅肉を落としただけのもの、少量の塩で味つけした昆布だしを小ぶりの椀にそそいだものなどがあります。
汁の具材には草の実や野草の芽など、季節感のあるものを浮かす程度に入れ、先に具を食べてから汁を味わうのが正しい作法です。
⑦八寸(はっすん)
八寸
出典:danch
八寸(はっすん)とは、八寸(約25cm)四方の杉の素木の角盆(この盆のことも「八寸」と呼ぶ)に、珍味を二品(三品のこともある)品よく盛り合わせた酒の肴のことです。
二品を盆に盛る場合は、海の幸と山の幸、または動物性のものと植物性のものというように、二品に変化をつけるのが習わしとなっています。
吸物が出たあとに、酒を飲み交わす際の肴として亭主がお客様一人ずつに提供するのが一般的です。
⑧湯桶(ゆとう)、香の物(こうのもの)
酒宴が終わって盃を下げた後、湯桶・湯斗(ゆとう)と香の物が出され懐石料理もいよいよクライマックスです。
(茶道の流派によっては提供のタイミングが異なる場合もあり。)
湯桶にはお湯と「湯の子」と呼ばれるおこげが入っていて、添えられた柄杓(ひしゃく)で椀に注ぎ、香の物と一緒に頂きます。
香の物
香の物(こうのもの)とは、漬物の総称として使われる言葉で「香り高いもの」という意味があり、「香香(こうこう)」ともいいます。
湯桶と共に提供され、椀のそこに残った湯の子(おこげ)があれば、沢庵などの香の物を使って綺麗にかき集めて頂きます。
白檀(ビャクダン)や金木犀(キンモクセイ)など香りのする木(香木:こうぼく)を嗅いで楽しむ際に、沢庵(たくあん)などの香の物をかじって嗅覚を正常に戻したことから、この名が付けられたそうです。
⑨菓子、濃茶(こいちゃ)
出典:婦人画報
懐石料理の一番最後に提供されるのが菓子(甘味のこと)で、「主菓子(おもがし)」とも呼ばれます。
縁高(ふちだか)と呼ばれる重箱に入れられた和菓子で、木製の爪楊枝を添えて提供されるのが一般的です。
濃茶(こいちゃ)はたくさんの抹茶を使い、ドロっとしたとろみのある濃厚なお茶のことです。
出典:鶯宿梅
▲濃茶は茶の湯で用いられる抹茶の一種で、多量の抹茶を少量の湯で溶かして練ることによりドロっとした茶となる。対して少量の抹茶を溶かしたさらりとした茶を「薄茶(うすちゃ)」という。
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