こんにちは、しけたむです!
この記事では
- 「キッチンのバリアフリー計画について注意点を理解したい。」
- 「車椅子の寸法と必要な周囲の寸法はどれくらい?」
という皆様に向けて、
キッチンのバリアフリー計画と車椅子の寸法について画像で解説します。
▼空間別バリアフリー計画①はコチラから▼
▼空間別バリアフリー計画②はコチラから▼
空間別バリアフリー計画③
キッチンのバリアフリー計画
キッチンのバリアフリー計画では、調理台や収納棚の高さが車椅子の利用者に合わせて低めに設計されているのが特徴です。
また座ったままでも調理作業を行えるように、電動昇降が可能な吊り戸棚が設けられたり、キッチンスペースでの往来をしやすく転倒を防ぐために手摺りが付けられることもあります。
出典:archidaily
▲電動で昇降する吊り収納と調理カウンター
出典:ootaki
▲手摺りが取り付けられたバリアフリー対応キッチン。カウンター下にはキャスター付きのワゴン収納が出し入れ出来るようになっていて、車椅子の横に引き出して作業補助が出来るようになっている。
キッチンは配膳動作が容易に行えるような動線として、調理カウンターの高さは730〜850mmの高さとします。
車椅子や椅子を使用して作業する場合は、調理カウンター下に下肢領域(かしりょういき:下部のあきスペース)を設けると作業が行い易くなります。
出典:アビリティーズ
▲車椅子に座ったまま作業のしやすいキッチン。カウンターは電動で上下に昇降する。
収納は、手の届く範囲の高さ「1,500mm以下」に収納部があると使い易く、近年では電動で昇降する収納棚も多く使いやすいものとなっています。
出典:mdph59
▲下端1,300mmの高さの収納棚なら電動昇降がなくても手が届く。
ガスコンロは、火の消し忘れを防ぐためにも安全装置の付いたものを採用しましょう。
現在流通しているガスコンロには、調理油過熱防止装置や立ち消え安全装置の搭載が義務化されています。
調理湯過熱防止装置は、鍋やフライパンの温度をセンサーで感知して、高温になり過ぎると自動的にガスを止める装置です。
立ち消え安全装置は、煮こぼれや吹きこぼれをセンサーで感知して、自動的にガスを止める装置です。
出典:全農
▲バリアフリーキッチンのガスコンロでは、安全センサーを搭載したものを選びたい。
ガスコンロの安全センサーとは別に、ガス漏れ検知器(ガス警報機)や火災警報器などを設置しましょう。
キッチン以外にもトイレや浴室に非常通報装置を設置すると安心です。
出典:北ガス
▲ガス警報器は、空気より軽いガスである都市ガスは上部に、空気より重いLP(プロパン)ガスは下部に設置する。火災警報器は熱や煙を感知しやすい上部へ取り付ける。(距離は暗記する必要なし)
▼一般的なキッチンの寸法はコチラの記事でご紹介▼
車椅子の種類と寸法
バリアフリー計画を行う上で、車椅子について知識が無いと何も提案できません。
種類や寸法について、最低限の知識は頭に入れておきましょう。
車椅子の種類
車椅子の種類は、多種多様です。
「移動を目的に使うもの」と「日常的に(長時間)使うもの」に大別され、またそれぞれ「1人で動けるもの」と「介助が必要なもの」に分けられます。
出典:福祉協同サービス
▲車椅子は、使う場所や利用者の目的、状態などによりいくつもの種類がある。
車椅子の寸法
車椅子の寸法については、JIS(日本産業規格)やISO(国際標準化機構)においても長さ1,200mm以下、幅700mm以下、高さ1,090mm以下という基準が定められていて、この最大値を超えない限り、国際基準に適合しているものとみなされます。
出典:障害者対応指針等
▲車椅子を折り畳んで収納する際は、長さ1,200mm、幅350mm、高さ1,100mmほどのスペースが必要になる。
▼JIS、ISOって何だっけ?という方はこちらから▼
車椅子利用のための計画
車椅子に乗って移動する際、身体を動かす際の動作空間についても確認しましょう。
廊下の有効幅
まずは廊下の有効幅は、直線廊下では「最低780mm以上」、曲がり角がある廊下の場合は「850〜900mm以上」は必要になります。
出典:U-CAN
▲自走用車いすの幅620~630mmに、操作するためのゆとり100~150mmを加えて780mm程度だが、この寸法ではかなりギリギリで慣れていないと走行は難しい。
出典:U-CAN
▲方向転換に要するスペースは車椅子の操作能力にかなり依存する。360度回転する場合は「1,500mm×1,500mm以上」、直角に曲がる場合の幅員は「850~900mm以上」は必要。
ドアなどの通過に必要な有効幅
介助用車椅子は自走用車椅子と比べると小回りが利くので、ドアなどの通過に必要な有効幅は750mm以上となります。
自走用車いすの場合はそれより広い開口が必要で、標準的に850~900mm程度、操作能力が低い場合は950mm以上の寸法が必要になります。
出典:U-CAN
▲ドアの通過に必要な有効幅は750mm以上で間違い無いが、自走用車椅子の場合はもっと幅が必要なことを覚えておこう。
出典:ワイエム工業株式会社
▲キックプレートは車椅子による壁への傷を防ぐもので、金属や樹脂などの素材がある。病院の廊下には大体これが取り付けられているから注意してみてみよう。
上りやすい傾斜路
『エクステリアのバリアフリー計画』と重複になりますが、車椅子を利用した場合の室内での上りやすい傾斜路の勾配は1/12以下です。
段差50cmの場合、上りやすいスロープの長さは「50cm × 12 = 600cm」となります。
出典:サンリブ
▲1/12勾配であれば、自走用車椅子でも通行することができる。
ワークトップの高さ
デスクやワークトップの高さは700〜750mm程度が一般的です。
ダイニングテーブルと同じように身体の大きさによっても使いやすさは変わるため、実際に利用する人に寄り添った提案をすることが大切です。
出典:ABC商会
▲車椅子はオーダーメイドのものもあるので、ワークトップの高さは目安であることを覚えておこう。
ナンタルカのまとめ
■キッチンのバリアフリー計画
キッチンは配膳動作が容易に行えるような動線として、調理カウンターの高さは(①)〜(②)mmの高さとするのがよい。車椅子や椅子を使用してキッチンで作業する場合は、調理カウンター下に(③)を設けると作業が行い易くなる。また収納は手の届く範囲の高さ(④)mm以下にあると使い易く、近年では電動で昇降する収納棚も多く使いやすいものとなっている。
■車椅子の寸法
車椅子の寸法は、JIS(日本産業規格)やISO(国際標準化機構)においても長さ(①)mm以下、幅(②)mm以下、高さ(③)mm以下という基準が定められていて、この最大値を超えない限り、国際基準に適合しているものとみなされる。
■車椅子利用のための計画
まず廊下の有効幅は、直線廊下では最低(①)mm以上、曲がり角がある廊下の場合は(②)〜(③)mm以上は必要になる。また介助用車椅子は自走用車椅子と比べると小回りが利くので、ドアなどの通過に必要な有効幅は(④)mm以上あれば通過できるが、自走用車いすの場合はそれより広い開口が必要で、標準的に(⑤)~(⑥)mm程度、操作能力が低い場合は950mm以上の寸法があったほうがよい。
お疲れ様でした。
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