こんにちは、しけたむです!
この記事では
- 「古代の遺跡や建築に興味がある。」
- 「エジプトとギリシャ・・・特徴の違いがわからない。」
という皆様へ向けて
全ての建築や文化の源流である古代エジプトの建築様式について画像付きで解説していきます。
古代エジプトとは?
出典:Salon.com
▲ナイル川中流の西岸に位置する都市『ギザ』にあるスフィンクスとピラミッド
古代エジプトとは、紀元前5000年ごろからナイル川下流域に発達した古代文明で、紀元前3150年ごろに成立した統一国家のもとでピラミッドや神殿を建設し、ものの形をかたどって描かれた文字「象形(しょうけい)文字」が使われ、測量術・暦法などの科学技術を発達させました。
出典:WIRED
▲古代エジプト人が使用した象形文字のひとつ『ヒエログリフ』。4世紀頃まで残っていた読み手がついに絶え、その後は読める人間が居なくなったが、19世紀に研究者が解読し再び読めるようになった。
古代エジプトは紀元前3150年頃にナルメルという王がエジプトを統一して王朝を成立させてから、古代ローマによって滅ぼされるまでの時代を指します。
またエジプトのイメージと言えば砂漠地帯であり、厳しい環境に思われがちですが、毎年氾濫を起こすナイル川が肥沃な土壌を下流に運ぶことで豊かな土地と穀物が育まれエジプト文明が栄えました。
出典:マナペディア
▲ナイル川の水源は南部にあるエチオピアで、北の地中海に向かって流れる。上流である南側地域を上エジプト、下流である北側地域を下エジプトと呼ぶ。
古代エジプトの建築と特徴
このエジプト文明は人類史上最も他の文明に影響を与えた文明と言われ、ナイル川の川岸にスフィンクスやピラミッドなどの巨大な建築物とオベリスクと呼ばれる記念碑がいくつも建造されました。
出典:旅狼どっとこむ
▲古代エジプトを代表する神殿『ルクソール』のオベリスク。ルクソール神殿のオベリスクは本来左右2本あったが、右側の1本(高さ22.55メートル)は1819年にフランスに贈られ、現在はパリのコンコルド広場にある。
▲ルクソール神殿のオベリスク(第1塔門)から中に入ると『ラムセス2世の中庭(第1中庭)』がある。神殿の構造物は、エジプト南西部から採掘された砂岩が使用された。
乾燥地帯のエジプトでは日本と違って森林が育たなかったため、木材は不足気味でした。
このため、古代エジプトで主に用いられていた建築材料は日干しレンガと石の2つで、石は主に石灰岩、砂岩、花崗岩が使用されました。 石は主に墓や神殿専用の建材であり、一方でレンガは王宮や要塞、神殿境内や都市を囲う壁、あるいは神殿複合体の中にある補助的な建物を作るために用いられてきました。
出典:エジプトの旅
▲『エドフ神殿』はホルス神殿とも呼ばれる、紀元前237年から57年にかけて建造された古代エジプトの神殿。エジプトで最も保存状態の良い神殿のひとつ。
出典:エジプトの旅
▲石に刻まれたホルス神(中央)とオシリス神(左)。神殿に彫刻されたレリーフの多くは、エジプトを支配するために来たキリスト教信者により一部破壊されている。
日干しレンガは『アドビ(アドベ)』とも呼ばれ、ナイル川から採取した泥を型に流し込み、適度な硬さになるまで熱い太陽の光に晒して乾かした後、建材に用いました。
出典:自然素材といのちの場/日干しレンガ
▲日干しレンガは古代から現代まで、長く使用されている建材のひとつ。レンガの型枠に土とわらや糞を混ぜたものを詰めて成形し、すぐに型枠から取り外す。数時間乾燥させた後、レンガを縦にして日陰でゆっくりと乾燥させると、ひびが入りにくい。
エジプトの神殿などに見られる石材の柱には、パピルス、ロータスのつぼみや花、ヤシの葉といった植物を写実的に掘り出して表現しているといった特徴が見られます。
▲エジプト南部のアスワンにある『フィラエ神殿』を描いたスケッチ(1838年)。石柱の柱頭にはパピルスやロータスのつぼみ、天井にはハゲワシ、柱や壁にはヒエログリフ(エジプト文字)が彫られ、フレスコ画と呼ばれる絵画技法で鮮やかに装飾されていた。
▼フレスコ画って何?て方はこちらから!▼
▲パピルスはカヤツリグサ科の大型の多年草で、エジプトでは紙の原料として利用していた
出典:CGTN
▲ロータスは睡蓮(スイレン)のこと。古代エジプトでは装飾に用いられたり、信仰の対象ともなっていた。
出典:THE MET
▲上エジプト東岸にある『カルナック神殿』のパピルスなどいくつかの植物をモチーフとした柱頭(紀元前380〜343年頃)
古代エジプトの家具
『ツタンカーメンの黄金の玉座』などの家具は、生活の道具ではなく、権威の象徴としての意味を持っていました。
出典:Desertcart
▲古代エジプト11代目の王『ツタンカーメン(即位BC1336~BC1327)』の墓に収められていた、2000点以上の副葬品の中の一つ
この黄金の玉座は全体が金箔で装飾され、太陽神に照らされたツタンカーメン王とアンケセナメン王妃が描かれています。
肘掛の先端には、玉座を護るライオンの像が彫刻されています。
ナンタルカのまとめ
■古代エジプト文明の建築と装飾
(1)古代エジプト文明は人類史上最も他の文明に影響を与えた文明と言われ、ナイル川の川岸にスフィンクスやピラミッドなどの巨大な建築物や(①)と呼ばれる記念碑がいくつも建造された。この時代に主に用いられた建築材料は(②)と石の2つで、石は主に(③)、砂岩、花崗岩が使用された。
(2)古代エジプトの神殿などに見られる石材の柱には、紙の原料にも使用された(①)や、日本では睡蓮と呼ばれる(②)のつぼみや花、ヤシの葉といった植物を写実的に掘り出して表現しているといった特徴が見られる。
■古代エジプトの家具
(①)などの家具は生活の道具ではなく権威の象徴としての意味を持っていて、肘掛の先端には、玉座を護るライオンの像が彫刻されている。
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