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【20世紀の動き(4)−1】北欧デザインの特徴とハンス・ウェグナーの家具について解説します【世界のインテリアの歴史⑰】

サークルチェア PPMObler ウェグナー

 

 

こんにちは、しけたむです。

 

 

 

この記事では

 

  • 「北欧デザインって聞くけど、どんなデザインかの説明はできない。」
  • 「有名な北欧のデザイナーズチェアについて詳しく知りたい。」

 

 

という方々に向けて

 

北欧デザインの特徴と北欧を代表するデザイナーのハンス・ウェグナーについて

 

分かりやすく画像つきでご紹介していきます。

 

 

ナンタルカ
ナンタルカ
みなさんIKEA(イケア)の家具を見たことはありますかにゃ?IKEAはスウェーデンの家具メーカーで、北欧家具は日本のインテリアにもすっかり溶け込んでいますにゃ!どんなデザインか、ここでしっかり覚えて欲しいにゃあ〜

 

 

 

 

 

 

 

スカンジナビアンデザインとは

スカンジナビアンデザイン出典:ADPRO

 

 

スカンジナビアン(スカンディナヴィア)デザインとは、スウェーデンデンマークノルウェーのスカンジナビア半島諸国とフィンランドアイスランドを含めた北欧5カ国で発展してきたデザインの総称を指し、単純に北欧デザインとも呼ばれます。

 

 

 

北欧デザインは建築インテリアアート日用品に至るまで、生活に関わる多くの製品を生み出し、IKEA(イケア)などの大型家具量販店により、現代では身近で一般的なデザインとなりました。

スカンジナビア半島 北欧出典:グスタフスベリ

▲知っているようで知らない北欧5カ国の位置。IKEAは1943年にスウェーデンで設立された。

 

 

スカンジナビアンデザインはシンプルかつナチュラル、機能性の高いデザインであることで知られています。そうした特徴を持つようになった背景には、北欧の気候が強く関係しています。

 

 

 

北欧では長く厳しい冬期は室内で過ごす時間が長く、そのため「飽きのこないシンプルなデザイン」機能的で長く愛用できるような実用性が求められてきたのです。

 

 

 

ノルウェーにおいては冬の日照時間が著しく短いため、室内を照らす照明器具が暮らしの重要な役割を担っていますし、北欧雑貨は動物などをモチーフとしたユニークなデザインが多く、これも家で過ごす時間を楽しくという考えから生み出されました

北欧雑貨 カイ・ボイスン出典:ILLUMS

▲銀細工師のデンマークの巨匠『カイ・ボイスン(1886-1958)』が手掛けた動物の木製玩具シリーズは1930年代に誕生し、今も世代を超えて愛されている北欧雑貨の名作。

 

 

ナンタルカ
ナンタルカ
カイ・ボイスンは「一つの製品は丸みがあり柔らかく、そして手に持ったときには心地よさがなくてはならない」と語っていらっしゃいますにゃ。確かに北欧デザインからは、ぬくもりやあたたかみを感じるものが多いですにゃあ〜 

 

 

北欧デザインの特徴

 

 

スカンジナビアンデザインが北欧5カ国で発展してきたデザインの総称と言われても、何だか訳わからないですよね。

 

 

スカンジナビアンデザイン(以下:北欧デザイン)の特徴についてもう少し掘り下げてみましょう。

 

シンプルな曲線と線

Yチェア 北欧デザイン出典:キナル

▲1950年に北欧家具の巨匠ハンス・J・ウェグナーによって製作されたCH24。通称Yチェア

 

 

北欧デザインのシンプルさが具現化されているのが曲線と線です。

 

 

家具などは複雑な曲線や線を重ね合わせるようなことはせず、実用性を重視したシンプルで無駄のない、それでいて美しさを感じさせるラインで構成されています。

 

シンプルなパターン(模様)

マリメッコ 北欧 模様出典:Amazon

▲フィンランドのアパレル企業『マリメッコ』が1964年にデザインしたウニッコ柄はポピーの花をモチーフにしている。

 

 

シンプルなパターン(模様)が使われるのもスカンジナビアデザインの特徴です。

 

 

家具はウッドの自然な木目を生かした物以外は無地が多く、模様があったとしても一つの家具に異なる模様があしらわれることはほとんどありません。

 

 

 

一方、北欧ファブリックとも呼ばれるカーテン、クッション、テーブルクロス、キッチンタオルなどの織物や布地には、ストライプ幾何学模様花柄動植物をモチーフにした模様がよく用いられます。

 

 

ナチュラルな色使い

北欧デザイン ナチュラル インテリア出典:Indonesia Design

▲白を基調としたインテリアに床や家具にナチュラルなカラーを入れ、アースカラーでまとめた温かみのあるコーディネート。インテリアグリーンをアクセントに使用している。

 

 

北欧デザインは、色使いも色数を抑えたナチュラルでミニマルが基本です。

 

 

壁や天井は白、床や家具にはオーク材やアッシュ材などのナチュラルカラー、ラグやクッションなどのファブリック(布地、織物)にはアースカラーが使われることが多いでしょう。

 

 

 

また、壁紙、アート、クッションなどでどこかにアクセントとして鮮やかな原色を配するとモダンなイメージになります。

北欧デザイン アクセントカラー アソートカラー出典:Decor Around the World

▲ビビッド(原色に近い)カラーのイエローを挿し色として加えた北欧デザイン

 

 

長く使える機能性

アントチェア 北欧家具出典:DU

▲1952年に北欧家具の巨匠アルネ・ヤコブゼンによって製作されたアントチェア。飽きないシンプルなデザイン、軽くてスタッキング(重ね置き)可能、木の温かみを兼ね備えた北欧家具の傑作。

 

 

無駄や過度の装飾を省いたシンプルなデザイン合理性を追求して生まれたフォルムやディテール、それでいて温かさや人間味を感じさせ、ライフスタイルになじむ独特な機能美もまた、スカンジナビアデザインの特徴です。

 

 

 

スカンジナビアデザインの家具や日用品は長年使っていても飽きることが少なく、世代を超えた支持を得ているとも言われます。

 

 

ナンタルカ
ナンタルカ
北欧デザインは「シンプルモダン」ということばでの認知も高くて、過去には「スカンディナビア・ミニマリズム」っていう呼び方をされていたこともあったんですにゃあ〜

 

 

代表的な北欧家具デザイナー

デンマーク 首都 コペンハーゲン出典:PH

▲デンマークの首都コペンハーゲンにある『ニューハウン』の美しい街並み

 

北欧諸国の家具製作・デザインは第二次世界大戦後徐々に復興し、スカンジナビアン・モダンという造語が生まれました。

 

 

 

北欧諸国の中でも、特に優れた名作家具を多く生み出したのがデンマークであり、デンマークで生まれた家具やデザインをデーニッシュ(デニッシュ)・モダンと呼びました。

 

 

 

まずは、世界的に広く愛されている傑作をいくつも残したハンス・J・ウェグナーについて確認しましょう。

 

 

ナンタルカ
ナンタルカ
ウェグナーの椅子は、デンマークで伐採された無垢材の木肌を活かした温かみのあるデザインと、いつまでも飽きないデザインが特徴で、いろいろな場所に置かれているのをみかけますにゃあ〜

 

ハンス・J・ウェグナー

ハンス・J・ウェグナー出典:HIKE

 

ハンス・ヨルゲンセン・ウェグナー(1914年 – 2007年)は、デンマークの家具デザイナーで、生涯で500種類以上の椅子をデザインし、20世紀の北欧デザイン界に多大な影響を与えました。

 

 

 

ウェグナーの椅子は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)をはじめ多くの場所でコレクションされています。

 

 

 

 

1914年、ウェグナーはデンマーク南部のドイツ国境に近い街トゥナーに靴職人であり町議会議員も務めていた父、ピーター・ウェグナーと母ニコライ・ラーセンの間に生まれました。

 

 

 

 

13歳から家具職人の下で修行を始め、1931年、17歳の時に指物師(※)のマイスターの資格を取得しました。

(※指物(さしもの)とは、釘などの接合道具を使わずに、木と木を組み合わせて作られた家具や建具などの総称のこと。)

指物 ウェグナー チェア出典:danish design review

▲ウェグナーの家具は釘が使用されず指物で作られている

 

 

国立産業研究所に通い、木材について専門に研究しながら、20歳まで家具職人の下で修行した後、兵役のためデンマーク首都であるコペンハーゲンへ出ました。

 

 

ナンタルカ
ナンタルカ
ウェグナーの10代から20代のころは、一流の家具職人になるための修行の期間だったんだにゃ! 

 

 

兵役が終了したウェグナーはそのままコペンハーゲンに残り、23歳の時コペンハーゲン美術工芸学校に入学し、家具設計を専攻しました。

 

 

 

ウェグナーと同じ、デンマークの家具デザイナーの巨匠であるボーエ・モーエンセンとはこの頃知り合っています。

 

 

 

1938年に卒業した後、1940年から1943年にかけて、デンマークの建築家でありデザイナーでもあるアルネ・ヤコブセンの事務所に勤務し、ヤコブセンが設計した『オーフス市庁舎』の家具デザインの設計に携わりました。

オーフス市庁舎 会議室

オーフス市庁舎 チェア出典:Lindburg

▲アルネ・ヤコブセンが設計したデンマークの『オーフス市庁舎』の家具はウェグナーによるデザイン(1941年)

 

 

▼アルネ・ヤコブセンについてはこちらの記事でチェック!▼

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その後、独立したウェグナーにとって最初の転機となった作品が、1943年にデザインしたチャイニーズ・チェアでした。

 

 

チャイニーズチェア(FH4283)

チャイニーズチェア出典:Bukouskis

 

チャイニーズチェアは、当時29歳だったウェグナーがデザインしたチェアで、デンマークの家具デザイン会社であるフリッツ・ハンセン社から発表されました。

 

 

 

きっかけは1932年頃に発刊された『家具芸術』という本に掲載されていた中国・明時代の椅子『圏椅(クワン・イ)』を見てインスピレーションを受けました。

圏椅(クワン・イ) チャイニーズチェア出典:家具コンパス

▲ウェグナーがインスピレーションを受けた中国の圏椅(クワン・イ)

 

 

圏椅をウェグナーがリデザインして誕生した椅子がチャイニーズチェアです。

 

 

 

チャイニーズチェアは少なくとも異なるデザインで9種類以上も製作され、初期にデザインされたものはアームのカーブや細部に至るまで高度な技術力を持った職人しか製作できないものでしたが、ウェグナーは『より強度を高めること』『大量生産』できるようにするためリデザインを繰り返していきます。

 

 

 

そこでウェグナーは、ミハエル・トーネットが開発していた木を蒸して曲げ、型の中に入れて乾燥させる曲木技術を取り入れてリデザインする事を試みます。

 

 

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こうして完成したチャイニーズチェアが翌年1945年にフリッツ・ハンセン社から『FH1783』という品番で発売されました。

 

 

数年後、廃盤になってしまいますが、1970年にデンマークの家具工房PPモブラーから『PP66』という品番で再販売されるようになり、現在に至ります。

 

 

ナンタルカ
ナンタルカ
ハンス・J・ウェグナーの名作『Yチェア』は、実はこのチャイニーズチェアがベースになって作られたデザインなんですにゃ!そういえば、よーく見るとカタチ似てるにゃっ!

 

 

ピーコックチェア(PP550)

 

ピーコックチェア出典:SCANDINAVIA DESIGN

 

 

ピーコックチェアは、1947年にウェグナ―がイギリスのウィンザーチェアをリデザインしたチェアです。

 

 

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ピーコックチェアは、その名前の通りピーコック(孔雀)が羽を広げたように見えることから、同じデンマーク出身のデザイナーであるフィン・ユールによって名付けられました。

 

 

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背もたれのハイバックの羽の部分が矢に似ていることから『アローチェア』と呼ばれることもあります。

 

 

 

かつて存在したデンマークの家具メーカー『ヨハネス・ハンセン』にて製造されていましたが、現在は1992年よりPPモブラーが製造を受け継ぎ正規品として販売しています。

 

 

 

ラウンドチェア(ザ・チェア/PP501)

ザ・チェア ウェグナー出典:Ernst H Interiors

 

ラウンドチェアはウェグナーによって1949年にデザインされたチェアで、通称であるザ・チェアという名前の方が有名になったチェアです。

 

 

 

「ザ・チェア」の最大の美しさは、アームと背をピタリと接合したフィンガージョイント(※)です。ジョイント部分を意匠として見せながら、全体としては優美な曲線を描く「笠木」(背もたれの部分)が世界の人々が「ザ・チェア」に魅了されている理由です。

(※フィンガージョイントとは、両手を組み合わせて指を組んだ形に似ていることから「フィンガー(指)」と名付けられた接合方法のひとつ。)

ザ・チェア フィンガージョイント出典:1stDIBS

▲笠木は「ザ・チェア」が発表された当時から3つのパーツから成っていたが、フィンガージョイントの技術が十分では無く見た目が美しくなかった為、藤をぐるぐると巻いてジョイント部分を隠していた。1950年以降、仕様変更され現在に至る。

 

 

 

そんなザ・チェアが世に知られたのは、1960年にアメリカ大統領選テレビのテレビ討論会でジョン・F・ケネディがザ・チェアに座った姿が放映されたことがきっかけでした。

ザ・チェア ケネディ出典:Pinterest

▲腰痛を持っていたケネディは、楽に座ることができ、それでいて座っている自分が堂々として美しく見える椅子を探した結果、ザ・チェアにたどり着いたといわれている。

 

 

現在でもウェグナーの意志に忠実に従い、職人の手作業により一脚ずつ丁寧に作り上げられています。

 

 

手のひらにしっとりと馴染む繊細な曲線は、デンマークの工房『PPモブラー』のクラフトマンシップの賜物です。

 

 

ナンタルカ
ナンタルカ
デンマーク王室御用達のザ・チェアは、座った人が美しく、威厳あるように見えるチェアなんですにゃ。ここまで王室やセレブリティ、有名人に選ばれて愛されているチェアはなかなか存在しませんにゃ〜 

 

 

ウィッシュボーンチェア(Yチェア/CH24)

Yチェア ウェグナー出典:okay art

 

CH24チェアまたはYチェアとして有名なウィッシュボーンチェアは、1949年にハンスウェグナーがデンマークの家族経営による家具会社カールハンセン&サンのためにデザインしたチェアです。

 

 

 

 

チャイニーズチェアがデザインの元となっており、曲木技術が使用されたアームレストと一体化した背もたれと、1脚に120メートルもの長さのロープで丁寧に編み込まれたペーパーコードロープシートを備えています。

Yチェア ペーパーコード出典:ワイズカーサ

▲長く使って座面のロープが緩んできたら張替えが可能。15年~20年程度が張替えの目安。

 

 

Yチェアという通称は見たまんまですが、Y字型またはウィッシュボーン(V字の形ををした骨)型の背もたれにちなんで名付けられています。

 

 

 

ウェグナーがデザインしたチェアの中でベストセラーとなったYチェアは、1949年のリリース以来継続的に生産されていて、世界で最も購入しているのはなんと日本

 

 

 

その売上高は日本だけで全世界の4分の1以上を占めています。

 

 

 

Yチェアはシンプルさと快適さを兼ね備えた素朴で控えめな作品で、その優雅な曲線形は東アジアのデザインにモダニズムを融合したデザインの完成形とも言えます。

 

 

ナンタルカ
ナンタルカ
毎年4月2日、ウェグナーの誕生日には限定モデルのYチェアが発売されているんですにゃ。2020年はネイビーブルー色モデル、2019年は座面に革を使用したモデルが発売されたんだにゃ〜

 

 

バレットチェア(バチェラーズチェア/PP250)

バレットチェア バチェラーズ出典:DANSK

 

バレットチェアは、ウェグナーが1953年にデザインしたチェアの通称で、直訳すると『従者の椅子』という名称を持つ、ちょっと変わった椅子です。

 

 

 

商品名が『PP250』、通称が『バレットチェア(従者の椅子)』、この独特な名称とカタチには理由があります。

 

 

 

独特なフォルムをした背もたれはなんと『ハンガー』として使用でき、ジャケットをかけることができます。座面は立ち上げることができるようになっており、立ち上げた座面部分にスラックスをかけることができます。また、座面下には収納スペースがあるため、腕時計やアクセサリー、鍵など、身に着けていた小物を収納することができます。

バレットチェア バチェラーズチェア 出典:DANSK

▲バレットチェアが1脚あるだけで身の回りのものが全て片付くため『バチェラーズチェア(独身者の椅子)』とも呼ばれる

 

 

1953年の発表当時、ウェグナーは「背もたれ:パイン材、座面:チーク材」にてオリジナルを製作しました。当時、パイン材は安価な材料として用いられており、高級な家具には用いられることはなく、いわば「安物の木材」と認識されていました。

 

 

 

一方、チークは高級な材料として扱われており、どのデザイナーからもチークは「頑丈で高級な木材」と認識されていました。

 

 

 

ただ、ウェグナーは「木材には上下関係も優劣もなく、適材適所使い分ければ各々の木材の良いところが発揮できる」と考えていたのです。その想いを込めて、一番安価な木材と一番高価な木材を同じ椅子に使ったのが、このバレットチェアです。

PPモブラー バレットチェア出典:DANSK

▲バレットチェアは製造に高度な技術が要求される作品で、この椅子を作ることができる家具職人は大体の椅子を作ることが出来るそう。工場ではバレットチェアのパーツ製作を通じて技術を磨いている(PPモブラー工場にて)

 

 

パパべアチェア(AP19)

パパべアチェア ウェグナー出典:SUITE NY

 

パパべアチェアは1951年にウェグナーによってデザインされたチェアで、正式名称は『AP19』と言い、クマの足を連想させるようなむき出しの木製のハンドレストが付いた布張りのアームチェアで『ベアチェア』『テディベアチェア』と親しみを込めて呼ばれることもあります。

 

 

 

 

先端部分のハンドレストが木で出来ているのは、手で撫でたり寄り掛かったりした際にファブリックが汚れないようにするためです。その先端から脚にかけて流れるようなラインと後ろ姿の背中を包む愛らしい曲線は、インテリアとしても楽しませてくれます。

パパべアチェア ウェグナー出典:lucainc.hungry.jp

▲テディベアの爪にも、先端から見ると鼻のようにも見えるアームレストが最大の特徴

 

 

500種類以上の椅子をデザインしたウェグナーが、晩年介護施設へ持ち込んだ椅子というだけあって、座り心地の良さは彼の作品の中でも一、二を争います

 

 

 

シェルチェア(CH07)

シェルチェア CH07出典:Andorra

 

通称シェルチェアと呼ばれている『CH07』は、1963年に発表された3本脚の彫刻的なフォルムをもつイージーチェアです。

 

 

 

 

羽を広げたような座と脚の曲線が、流れるようなラインを形成し、成型積層合板(プライウッド)の技術を駆使して製作されており、座と背のクッションはファブリック、または革張りとなります。

シェルチェア ウェグナー出典:CARL HANSEN &SON

 

 

しかし発売当初はエッジの効いた攻めすぎたデザインに対する消費者の不快感から、数台しか生産されずに廃盤となりました。

 

 

 

 

ところが、1998年にカール・ハンセン&サンが復刻するとすぐに大きな反響を呼び、現在ではハンス・J・ウェグナーを代表するチェアのひとつとして評価されています。

 

 

 

サークルチェア(PP130)

サークルチェア出典:Lauritz.com

 

ハンス・J・ウェグナーがデザインしたサークルチェア(PP130)は、1986年よりPPモブラーで生産が開始されました。

 

 

 

特徴的な丸い木製のフレームは、丸い台型に薄くスライスした木材を重ね合わせて巻きつけ圧縮&接着し、丸い枠を機械で削り出しています。

 

 

 

丸いフレームを木材で製作するのは不可能だと思っていたウェグナーは、当初金属パイプで製作することを考えていました。

 

 

 

しかし、PPモブラーのソーレン・ホルスト・ペーターセンと職人ヘンリー・フィスカーが円形を作り出す機械を開発したことで、ウェグナーが不可能だと思っていたことが可能になりました。

サークルチェア PPMobler出典:Twentytwentyone

▲ウェグナーのチェアは、現在でもほとんどが熟練の職人による手作業で作られている(サークルチェアを製造しているPPMobler工場にて)

 

放射線に広がる背もたれに掛けられたロープはナチュラル色かブラック、ロープを連結しているクリップ(金具)はステンレススチール、真鍮、またはブラックより指定できるようになっています。

 

 

 

また、背のロープは結び目を作ると背にもたれたときに違和感を感じるので、あえて結び目を作らずクリップ(金具)で締められています

サークルチェア PPMObler ウェグナー出典:Twentytwentyone

▲サークルチェアは横幅が1メートル以上(1,120mm)あるので、子供と一緒でも充分座れる大きさ

 

 

 

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お疲れ様でした!

 

ここまで読んで頂きありがとうございます。

 

 

分かりにくい点やお気づきのことがあれば、メールでご連絡頂けましたら幸いです。

 

 

では、次回もお楽しみに。

 

 

 

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