こんにちは、しけたむです!
この記事では
- 「金属の特殊な塗装や加工の種類を知りたい。」
- 「テキストの文字だけだとイメージできないから画像で確認したい。」
という皆様に向けて、
金属の特殊な塗装や表面仕上げ・加工について画像で解説します。
▼前回記事『金属塗装①』はこちらから!▼
金属の特殊な塗装・表面仕上げ
メタリック塗装
出典:MYLANDS
メタリック塗装とは、アルミニウムの粉を塗料に混ぜることによりキラキラとした金属光沢の輝きを演出する塗装です。
ゴールドやシルバー、カッパー(銅)などさまざまな金属色を再現することが可能で、メタリック塗装が剥がれないように仕上げにクリヤー塗装を塗布されることが多いです。
高級感のあるメタリック塗料はキッチンのキャビネット収納などに用いられるほか、照明器具やインテリア小物などにも用いられています。
出典:福山キッチン装飾
▲グリーンのメタリック塗装が美しい特注キッチン
パール塗装
出典:RNDESIGN
パール塗装とは、鉱物の一種である雲母(うんも)の表面に酸化チタンをコーティングしたパール顔料を使用した塗装で、まるで真珠のように輝いた見た目となるのが特徴です。
真珠だからといって白だけで無く、ベースカラーによって赤でも青でもシルバーでも対応できます。
このパール顔料はキッチンのキャビネット収納はもちろん、自動車や化粧品、プラスチック製品などにも幅広く利用されています。
出典:福山キッチン
▲光の当たり方によってキラキラと輝くパール塗装は最も人気の高い塗装方法の一つ
ハンマートーン塗装
出典:彩工房
ハンマートーン塗装とは、金属板をハンマーでランダムに叩いた跡の様な凹凸模様を生み出す特殊塗料を用いた塗装です。
特殊塗料を吹き付ける際のスピードや距離、塗料の固さなどにより、さまざまなハンマートーンの模様を作りだすことが可能で、光の当たり方や見る角度によってもさまざまな表情を生み出します。
出典:彩工房
▲ハンマートーン塗装の塗装の様子。ハンマーで叩いているわけでは無い。
これは覚えなくても良いですが「ボルテックス・アクション」と呼ばれる特殊な溶剤蒸発によって、このような変わった模様が出来ています。
また重なり合わないように1回で塗り仕上げる必要があるため、複雑なカタチの製品の塗装には不向きです。
出典:彩工房
▲テーブルの脚や店舗などで使用される什器(じゅうき)などによく利用されている。
出典:彩工房
▲ハンマートーン塗装を行うことによって高級感のある質感を出すことができる。
ちりめん塗装(ちぢみ塗装)
出典:MORI TV
▲車のエンジンに使用されているちりめん塗装
ちりめん塗装とは、結晶塗料(ちぢみ塗料)を塗布して焼付乾燥を行うことにより表面に細かいシワを生じさせる塗装のことで結晶塗装、またはちぢみ塗装とも呼ばれます。
ざらっとした見た目とさわり心地が特徴的で、塗膜の厚みによってちぢみの大きさを調整することができます。
出典:Answer stock
▲ちりめん塗装のシワを大きくするには塗膜を厚くする必要がある。
クラッキング塗装(ひび塗装)
クラッキング塗装とは、下塗り塗料の上に厚塗りの塗料(クラッキングコート)を塗ることで、厚塗り塗料がひび割れて下塗り塗料が割れ模様として見える塗装です。
木材にクラッキング塗装を行う際はアンティークな雰囲気を醸し出すこともできますが、金属にこの塗装を行う際は単純に特徴的な模様を楽しむために行われることが多いです。
その場合はクラッキングコートが剥げてしまわないように、トップコートにクリアー塗料を塗装して仕上げとします。
出典:イエチェン
▲クラッキング塗装はDIYでも大人気で、塗るだけでアンティークな雰囲気を手軽に楽しむことができる。
レザートーン塗装
出典:吉田着色
レザートーン塗装とは、粘度の高い塗料でツブを付けて塗装面に凹凸を出し、皮革のようなソフトな質感を表現した特殊塗装です。
厚い塗膜の凹凸を利用することにより被塗物の傷などを目立ちにくくすることができるというメリットがあります。
出典:佐野塗料株式会社
▲塗料に骨材(模様形成剤)を入れることにより塗膜表面がレザー特有のザラザラとした独特な質感となる。
高級感と耐久性がどちらも求められる箇所に使用される塗装で、カメラや車のパーツなどに用いられることが多いです。
出典:ルミエールカメラのブログ
▲高級感のあるカメラ本体にはレザートーン塗装のほか、ちりめん塗装などさまざまな特殊塗装が施されることがある。
スパッタリング
出典:auer
▲スパッタリングは照明器具のリフレクターなどに使用されている。
スパッタリングとは金属の表面に金属塗膜を被覆するメッキの一種で、コーティングする対象物を有害な液体や高温気体にさらす事なくメッキ処理が出来ることが特徴の加工です。
金属粒子に高電圧をかけ、他の金属の表面に衝突させることにより金属膜として定着させるという表面処理で、原理自体は難しいことでは無いため様々な技術分野で広く使われています。
プリント
出典:株式会社大石孔版
▲ステンレスにシルクスクリーン印刷でプリントした表札。
プリントには金属へ直接印刷するシルクスクリーン印刷と、フィルムなどに印刷したものを間接的にプリントするフィルム転写の方法があります。
シルクスクリーン印刷はインクを使わずに印刷できる技法で、電解液という液体を使って絵柄の部分を腐食させることでその部分が黒くプリントされます。
表札や看板、ドリンクボトルなどステンレス製品にプリントされたものが多く流通しています。
出典:JAM
▲シルクスクリーン印刷は細かい字や絵柄も印刷できるが、黒色のみなので表現に限界がある。
フィルム転写は「熱転写」とも言われ、耐熱性フィルムに絵柄と接着剤を印刷し、熱と圧を加えて絵柄(インキ層)と接着層を基材(成型品)に絵付けする技法のことです。
出典:YOTSUBA
▲シルクスクリーン印刷と異なりカラー印刷ができるのが特徴。
静電植毛(せいでんしょくもう)
出典:Shibaful
▲芝生のテクスチャーを表現する際にも静電植毛技術が利用されている。写真は芝生風のコースター。
静電植毛(せいでんしょくもう)とは、被対象物に接着剤をスプレーガンで吹きつけてから、高電圧をかけて静電気の力でパイル(長さ1mm程度の短繊維)を植え付けていく表面処理加工です。
身近でわかりやすい物としては電気コタツのヒーターを覆う網目カバーで、これには触れてもヤケドをしないように熱を遮断するという効果があります。
出典:Re:ceno
▲静電植毛の加工をすることにより手足が触れてもヤケドをしないようにしている。
お疲れ様でした。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
わからないことや分かりにくい箇所があれば、ぜひお問い合わせよりご連絡ください。
次回もお楽しみに!
▼次回、新章「カーテン編」へ突入します!▼