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静電塗装と電着塗装の違いとは?メッキ、アルマイト、ダル仕上げも画像で解説【金属塗装①】

金属 ステンレス 塗装

 

こんにちは、しけたむです!

この記事では

  • 「金属家具の塗装方法にはどんな種類があるのか知りたい。」
  • 「金属の表面仕上げをビジュアルで確認したい。」

という皆様に向けて、

金属家具の塗装工程、塗装方法や表面仕上げについて画像で解説します。

 

ナンタルカ
ナンタルカ
金属家具の塗装方法や表面仕上げはテキストの文字だけだと覚えることは出来ませんにゃ。ひとつひとつ画像でしっかり確認して欲しいですにゃ!

 

 

金属塗装の工程

金属塗装 錆

 

金属は木材と異なり、適切な方法で塗装を施さないと「錆(さび)」が発生し、耐久性や美観が損なわれることがあります。

 

金属塗装は表面を錆から保護する効果があり、適切な塗装を行うことでキッチンなどの水回りや屋外などでの使用が可能になるのです。

エクステリア 家具 金属出典:roomservice360°

▲テラスで使用されるアルミニウム製のテーブルと椅子

 

適切な金属塗装のまずはじめに行う工程が「前処理(まえしょり)」です。

前処理を行わないと綺麗に塗装ができなかったり、塗装が剥がれやすくなる原因となります。

 

ナンタルカ
ナンタルカ
木材への塗装でも素地調整という下地への処理が必要でしたにゃ!金属でも同じような下地への処理が必要になるんですにゃあー

 

前処理

 

前処理(まえしょり)とは、名前の通り塗装を行う前に行う処理のことです。

まず金属の表面を化学薬品で脱脂(だっし:脂やホコリをとること)を行います。

脱脂 前処理出典:佐々木化学薬品株式会社

▲金属を切断したり加工した後には、油やホコリなどの異物が付きやすい。塗料が金属と密着しやすくするため、このような前処理が必須になる。

 

次に脱脂に使用した化学薬品をしっかりと洗い流すために水洗いをしっかりと行った後、化成被膜(かせいひまく)処理が行われます。

化成被膜処理は、皮膜剤を金属の表面と化学反応させることにより塗装前に金属が錆びないようにしたり、塗装後の耐食性や剥がれにくさが向上するなどの効果があります。

化成被膜処理 出典:日本パーカライジング株式会社

▲金属表面を錆びさせないようにすること、塗装を剥がれにくくすることなどの効果がある。

 

また、塗装面に古い塗料や錆が残っているような箇所に塗装を施す際には、ケレン処理と呼ばれる金属表面の錆や汚れを剥がしてキレイにする作業が最初に行われます。

ケレン処理出典:しろくまペイント

▲錆や汚れの度合いによって様々な工具を用いてケレン処理が行われる。

 

下塗り

 

下塗りとは、金属表面と上塗り塗料の密着性を上げるため、そして錆から保護するために施される処理のことです。

 

下塗りにはプライマーと呼ばれる下塗り用の塗料が用いられるのが一般的です。

プライマー 塗料出典:タカラ塗料

▲プライマーはスプレータイプから刷毛やローラーで塗るタイプまでさまざま。

 

ナンタルカ
ナンタルカ
プライマーに似た塗料にシーラーがありますにゃ。プライマーは塗装面に塗膜を作って機能するんにゃけど、シーラーは木材とかに浸透して機能するんですにゃ。でも最近は混同されて、同じものとして扱われていることも多いんですにゃあ〜

 

中塗り

 

中塗りとは、本格的な塗装である上塗りの前に行われる塗装のことです。

 

一般的にサーフェサー(サフェーサー)を塗ることで塗膜に厚みを与え、表面をさらに平坦に仕上げてゆきます。

サフェーサー 塗装出典:株式会社ミドリ商会

▲サーフェサーの塗装作業はスプレーで行われる。吸い込まないように注意。

 

上塗り

 

上塗りとは最後の仕上げの塗装のことで、上塗りに用いられる塗料のことは「トップコート」と言われます。

ちなみに上塗りの工程自体のこともトップコートと言います。

トップコート出典:Fishing Hours

▲トップコート用の塗料には、さまざまなカラーと防水や遮熱などの機能を有するものがある。

 

ナンタルカ
ナンタルカ
この工程が終われば完成はもうすぐですにゃ!

 

乾燥

 

上塗りが終わって、塗料を乾かすための工程が乾燥(かんそう)です。

そのまま常温で乾かす方法や、熱風を当てて速く乾かす方法などがあります。

 

自然乾燥

 

自然乾燥は、塗料を常温(5〜35℃)の空気中で乾燥させる常温(じょうおん)乾燥と、ヒーターや熱風発生器などを使って100℃以下(60〜80℃前後が一般的)の温度で人工的に乾燥時間を短縮させる強制乾燥を含む乾燥方法のことです。

強制乾燥 ヒーター出典:カナザワ板金

▲板金工場の強制乾燥に使われるヒーター。乾燥機で強制的に完全乾燥させることによって、塗装品質を安定的に高品質に仕上げることが可能。

 

焼付乾燥

 

焼付乾燥とは、120〜150℃という高温で20〜30分の加熱乾燥を行なって化学反応をおこし、塗膜を硬化させる乾燥方法のことです。

 

自然乾燥に比べて早く乾燥を終わらせることができ、温度や湿度といった外的要因に
影響されにくく塗膜の品質のバラツキを抑えることができるというメリットがあるため、大量生産に向いている乾燥方法です。

焼付乾燥 塗装出典:株式会社美煌

▲5,000mmまでの大きさの製品を入れることができる大きな焼付塗装炉。

 

金属家具の塗装方法

 

塗装方法には、いわゆる「吹き付け塗装」という名称で有名な圧縮空気を使って吹き付けるエアスプレー塗装や、圧縮空気を使わずに塗料に圧力をかけて霧状にして吹き付けるエアレススプレー塗装などが代表的です。

エアスプレー 塗装出典:株式会社エージェント

▲エアスプレー塗装とエアレススプレー塗装は、どちらも専用のスプレーガンを使用して塗装する。エアレススプレー塗装は塗料の吐出量が多く塗装面が広い場合に用いられることが多いが、塗料の粒子が粗いので家具などの高級塗装には向いていない。

 

ナンタルカ
ナンタルカ
金属への代表的な塗装方法には、次のようなものがありますにゃ!

 

静電塗装

静電塗装出典:日本のものづくり

▲上図の右側は通常の塗装で、スプレーから被塗物(被塗装物)へ吹き付けられた塗料は裏側までは塗装されないが、左側の電着塗装は電気の力で全体の表面に塗料が引き付けられて塗装される。

 

静電(せいでん)塗装とは、塗料の霧を帯電させて被塗装物に吸着させる塗装方法です。

 

塗料の無駄がなく、ローコストで高品質の塗装ができるというメリットがあり、凸凹が多い被塗装物にも均等に塗装ができます。

静電塗装出典:岩瀬塗装有限会社

▲静電エアスプレー(静電スプレーガン)から霧状に噴出された塗料粒子は、静電気の引力により被塗物に引き付けられることで塗装される。

 

しかし電気を用いるので金属にしか使用できない塗装方法であることと、袋状になっている被塗装物の内側までは塗装できないというデメリットがあります。

また2度塗りが出来ないので、1回で確実に塗装を行う技術が必要です。

 

電着塗装

電着塗装出典:秋田化学工業

 

電着(でんちゃく)塗装とは、電着塗料という専門の水溶性塗料が入った水の中に塗装したい物を入れて電気を流して行う塗装方法です。

 

塗装したい物とそれとは別の場所に電極を付けてそれぞれにプラスとマイナスの電気を流すことで塗料を付着させて塗装を行います。

電着塗装 出典:岩瀬塗装有限会社

▲塗料液に浸して電気的に塗膜を付着させる電着塗装は、被塗装物の全面を均一に塗装できる特徴がある。

 

塗装の全自動化が容易で、自動車ボディの塗装に使用されているほか、塗料のロスが少なく、水が入り込む場所に均質に塗装ができるというメリットがあります。

また使用できる色合いに制限がり、段取りが多いため少量の塗装には向かないなどのデメリットがあります。

 

ナンタルカ
ナンタルカ
ちなみに塗装したい物の電極が+プラスだと「アニオン電着塗装」、-マイナスだと「カチオン電着塗装」という名称になりますにゃ。使われる塗料や被塗装物の素材によって変えているんですにゃ〜

 

粉体塗装

粉体塗装出典:テラモト

 

粉体塗装とは、有機溶剤や水などの溶媒を用いておらず、顔料や樹脂、添加剤などを細かい粉体に砕き、100%粉末状のまま使用する塗装方法です。

 

粉末状の塗料を静電気を利用して帯電させて被塗装物に付着させ、高温で焼付乾燥を行います。

粉体塗装 出典:筒井工業株式会社

▲粉体塗装はシンナーを使わない塗装方法として1940年代に開発された。

 

メリットは、何回も塗り重ねて塗膜に厚みを出す液体塗料と比べて1回塗りで厚みのある塗装を得られることから、塗料の量が少なくて済むので経済的であることです。

また塗膜が厚く柔軟性を有しているため強靭で、塗装剥がれやひび割れが起きにくくなっていて、シックハウス症候群の原因でもある揮発性有機化合物(VOC)をほとんど含まないのも大きな魅力の一つです。

 

しかし薄い膜厚の対応が出来ない、塗装完了まで時間がかかるため少量多品種、短納期での対応に向かないことなどがデメリットとなります。

 

ナンタルカ
ナンタルカ
粉体塗装は冷蔵庫や洗濯機などの日常家電、ガードレールや信号機などの道路資材、水栓金具などの水道資材とかの傷や錆に強いものの塗装に使われていますにゃあ!

 

金属の表面仕上げ

メッキ

めっき出典:ものづくり市場

 

メッキ(鍍)とは表面処理の一種で、金属または非金属の材料の表面に金属の薄い膜を被覆(ひふく)することです。

金メッキや銀メッキなど、皮膜によってさまざまな装飾が可能となっています。

 

メッキすることにより、耐食性、耐久性、装飾性などの機能性向上が見込めます。

メッキ テーブル出典:BculinaryLAB

▲金メッキが施されたサイドテーブル。

 

ナンタルカ
ナンタルカ
メッキはカタカナで表記されることが多いから外来語のように受け取られることもありますが、和製漢語の「滅金(めっきん)」に由来する語なんですにゃ!

 

アルマイト(陽極酸化皮膜処理)

アルマイト出典:Shop19

 

アルマイトとは、人工的にアルミニウム表面に分厚い酸化アルミニウム被膜を作ることにより、アルミニウムの耐食性、耐摩耗性、装飾性の向上を目的として行われる処理のことです。

この人工的に作られた皮膜を陽極酸化皮膜(ようきょくさんかひまく)と言います。

 

最も身近でイメージしやすいものだと下図のようなヤカンや食器類があり、インテリアの分野ではテーブルなどの脚部などの金属パーツで多く見られます。

やかん アルマイト出典:WikimediaCommons

▲アルマイトは耐食性や耐摩擦性が高く長持ちするのが特徴。

 

ナンタルカ
ナンタルカ
アルマイトは1929年に日本の理化学研究所で開発されたんですにゃ!

 

ダル仕上げ

ダル仕上げ ブラスト出典:MAKO JAPAN

 

ダル仕上げとは、金属の表面に点状の細かい傷(模様)を意図的に付けて、艶消しした仕上げのことです。

点状の凸凹がついたロールを回転させて、ステンレス鋼等の金属を伸ばしながら凸凹の傷(模様)を付けています。

 

似たような仕上げに砂(Sand)を圧縮空気と共に金属表面に吹き付けて傷をつけるサンドブラストや、金属の粒を圧縮空気とともに吹き付けるショットブラストなどがあります。

サンドブラスト出典:有限会社進功ブラスト工業所

▲金属表面をブラスト加工することにより、艶消し、放熱性の向上、金属表面の硬化などの効果が付与される。

 

鏡面(ミラー)仕上げ

鏡面仕上げ ミラー仕上げ出典:IDREIT

 

鏡面(ミラー)仕上げとは、その名の通り反射して物が映る鏡のように平滑となった仕上げのことです。

耐水ペーパーで磨き、ポリッシング・コンパウンド(クリーム状の研磨剤)で磨き上げられていて、キッチン周りなどでよく使用されます。

 

ヘアーライン(ヘアライン)仕上げ

ヘアライン仕上げ出典:延べ床39坪のシンプルハウス

 

ヘアーライン(ヘアライン)仕上げとは、金属表面に髪の毛のような細くて長い線状の傷を単一方向につけた仕上げのことです。

線状の傷により金属表面は艶消しとなっていて、鏡面仕上げのような映り込みはほとんどありませんが、光沢や反射などの金属特有の質感があります。

 

金属素材としては主にステンレスが用いられますが、銅や真鍮、アルミ、チタンなどにヘアライン仕上げを施すこともあります。

 

ナンタルカ
ナンタルカ
ヘアライン仕上げはステンレスのキッチン天板の代表的な仕上げですにゃあ!

 

サテン仕上げ

サテン仕上げ出典:クォーク仙台店

 

サテン仕上げとは、金属の表面に方向性のある短い線状の傷を入れて艶消しとした仕上げで、ヘアライン仕上げの線を短くしたような傷が特徴的です。

 

絹(サテン)の布地に質感が似ていることから「サテン仕上げ」と呼ばれます。

 

ナンタルカ
ナンタルカ
キッチン用品によく使われていて、ほかにも時計のベルトやゴルフ用品とかでもよく使われる仕上げですにゃあー

 

 

 

お疲れ様でした。

ここまで読んで頂きありがとうございます。

わからないことや分かりにくい箇所があれば、ぜひお問い合わせよりご連絡ください。

 

次回もお楽しみに!

 

ナンタルカ
ナンタルカ
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▼次回、金属塗装の後編はこちらから!▼

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