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【20世紀の動き(5)−3】ジオ・ポンティとヴィコ・マジストレッティ!イタリアンモダンのデザイナーの代表的な家具を知る【世界のインテリアの歴史㉑】

ヴィコ・マジストレッティ アールト

 

 

こんにちは、しけたむです。

 

 

この記事では

 

 

  • 「よく見たことがある椅子だけど、誰がデザインしたかまでは知らない。」
  • 「イタリアの家具デザイナーについて最低限話せるようにしておきたい。」

 

 

とお考えの皆様に向けて

 

 

プロとして知っておきたい、有名なイタリアンモダンのデザイナーのジオ・ポンティとヴィコ・マジストレッティについて分かりやすく画像つきでご紹介していきます。

 

 

ナンタルカ
ナンタルカ
イタリアのデザイナーシリーズに突入ですにゃ!今回は誰もがどこかで見かけたことがあるシリーズのジオ・ポンティヴィコ・マジストレッティを紹介しますにゃあ〜

 

 

 

 

 

 

イタリアン・モダンとは?

ジオ・ポンティ イタリアンモダン出典:CASSINA IXC

▲イタリアン・モダンデザイナーのジオ・ポンティがデザインした『スーパーレジェーラ』

 

 

『イタリアン・モダン』とは、戦後から1970年代頃にイタリアで生み出されたデザイン傾向で、それを取り入れた家具や照明、絵画などを総称する言葉です。

 

 

 

 

イタリアンモダンは大胆な発想のデザインやモノトーンや赤・黄色・青などの非常に強い色を使った鮮やかなカラーリング、そしてシンプルで無駄がなく機能的であるフォルムが特徴です。

ヴィコ・マジストレッティ セレーネチェア イタリアン・モダン出典:デザイナーズ家具の世界

▲ヴィコ・マジストレッティがデザインした『セレーネチェア』はFRP (繊維強化プラスチック)という新しい素材を使用した発色の良いカラーリングが特徴

 

 

イタリアモダンを代表するデザイナーは、ジオ・ポンティヴィコ・マジストレッティマリオ・ベリーニアキーレ・カスティリオーニなどです。

 

 

 

 

 

イタリアの家具ブランドでは日本でもおなじみの、Cassina(カッシーナ)B&B italia(ビーアンドビーイタリア)arflex(アルフレックス)などが有名です。

B&BItalia出典:B&B italia

▲『B&B Italia』は1966年にピエロ・アンブロジオ・ブスネリにより創立されたイタリアの家具ブランド。マリオ・ベリーニや深澤直人などの建築家やデザイナーとコラボし、革新的な技術とアイディアで瞬く間にトップブランドへと成長した。

 

 

ナンタルカ
ナンタルカ
デザイナーによっては、当時新しい素材だったプラスチックやポリカーボネートなどを使って家具とか雑貨を作ってたのもイタリアンデザインの大きな特徴ですにゃあ

 

 

ジオ・ポンティ

ジオ・ポンティ出典:ELLE

 

ジオ・ポンティ (1891年 – 1979年)はイタリアの建築家、家具デザイナーで、建築・デザイン雑誌Domusを創刊したことでも知られています

 

 

 

 

1891年、ミラノに生まれたポンティは30歳でミラノ工科大学建築学部を卒業し、ミラノにて他の建築家と共同で事務所を立ち上げ、翌年の1923年からイタリアの陶磁器メーカーリチャード・ジノリでアートディレクターを務めました。

リチャード・ジノリ ジオ・ポンティ出典:GINORI1735

▲ジオ・ポンティは『リチャード・ジノリ』のデザイナーとして1923年より7年間活躍し、その時にデザインされた「Gio Ponti」シリーズは現在でも多くのコレクターがいる

 

GINORI 1735(ジノリ1735/リチャード・ジノリ)について

 

1735年、鉱物学に詳しかったトスカーナ大公国(北イタリアの小国家)のカルロ・ジノリ侯爵は、ドイツのマイセンの窯に匹敵する陶磁器をイタリアにも作りたいと思い、自ら土や発色の研究をして窯を創設しました。

 

1896年、ミラノのリチャード製陶社と合併してリチャード・ジノリとなり、1956年にラヴェーノのイタリア陶磁器会社と合併しイタリア最大の陶磁器メーカーとなります。

 

ジノリ最古の代表作である「ベッキオホワイト」やトスカーナのとある貴族の為に造られた「イタリアンフルーツ」は、不朽の名作として愛されています。

 

2013年、リチャード・ジノリはグッチに買収され、グッチの子会社GRG S.r.l.(グッチリチャードジノリ)となりました。

 

2020年、リチャード・ジノリはGINORI 1735という新しいブランド名に変更し、新たな展開を見せています。

 

 

 

1928年、37歳のジオ・ポンティは建築雑誌domus(ドムス)を創刊し、初代編集長を務めました。

ドムス domus ジオ・ポンティ出典:まるさんかくしかく

▲ドムスは現在まで刊行が続けられていて、建築およびデザインの分野に対して絶大な影響を与え続けている

 

 

1961年から1963年にかけミラノ工科大学建築学部教授を務め、1979年に88歳で亡くなりました。

 

 

 

 

代表作に1951年発表の椅子『スーパーレジェーラ』、建築の分野ではミラノの超高層建築『ピレッリ・ビル』、アメリカの『デンバー美術館北館』などがあります。

 

 

 

 

スーパーレジェーラ

スーパーレジェーラ ジオ・ポンティ出典:Cassina-ixc

 

 

スーパーレジェーラとはジオ・ポンティにより1951年にデザインされ、何度も試作を繰り返しながらイタリアの家具メーカー『Cassina』より1957年に発売されたチェアです。

 

 

 

 

スーパーレジェーラとは超軽量を意味する言葉であり、その重さはなんとたったの1,700グラムという、指一本で持ち上げることが出来る軽さ。

スーパーレジェーラ 最軽量出典:klat

▲発売当時、軽さをアピールするために子供が指一本で持ち上げている様子を写した広告写真

 

 

しかしながらトネリコという粘り気のある堅牢な木材を使用して耐久性を確保しながら、脚の先端を三角形にして「軽さ」という機能性と美しいデザインを両立させた、まさにジオ・ポンティの芸術作品とも呼べる傑作となりました。

 

 

 

 

 

シート部分の籐は、現在では貴重な技術とされる手編み。

チェアフレームを組み立てた状態で工場から籐編み職人の工房までわざわざ配送し、シート部分の籐をフレームに編み込んだ後、再び工場へ戻すという手間のかかる工程を経て、ひとつひとつ丁寧に作られています。

スーパーレジェーラ ジオ・ポンティ出典:D-plus stock

▲スーパーレジェーラのシートの藤の編み込みは、機械生産では行えない緻密な作業だ。脚は三角形になっていて、その一辺は18mmしかないという細さ。

 

 

ナンタルカ
ナンタルカ
スーパーレジェーラはCassina社が初めて社外にデザインを依託して開発された記念すべき製品なんですにゃあ〜

 

 

ヴィコ・マジストレッティ

ヴィコ・マジストレッティ出典:Storie Milanesi

▲ミラノの著名な建築家の家に生まれたヴィコ・マジストレッティは「悪いデザインに言い訳はない」という自身の哲学を貫いた

 

 

ヴィコ・マジストレッティ(1920年 – 2006年)は、家具デザイナーおよび建築家として知られるイタリアの工業デザイナーで、Cassinaなどの企業向けに大量生産された家具や電化製品を設計していくつもの賞を受賞しました。

 

 

 

 

ヴィコ・マジストレッティは1920年にイタリアのミラノで生まれて建築家の息子として育ち、ミラノ工科大学に進学し建築を学びました。

ヴィコ・マジストレッティ 幼少期出典:Fondazione pini

▲ヴィコ・マジストレッティ(写真右)と建築家の父ピア・ジュリオ・マジストレッティ(写真左)

 

 

しかし第二次世界大戦中の1943年、ドイツへの軍事的な国外追放を避けるために兵役中にイタリアを離れ、スイスに移ります。

 

 

 

 

スイスではイタリアの有名な建築家で家具デザイナーでもあるエルネスト・ネイサン・ロジャースから強い影響を受けました。

エルネスト・ロジャース 出典:Domus

▲エルネスト・ロジャースはプリツカー賞を受賞した建築家『リチャード・ロジャース』のいとこでイタリアで活躍した偉大な建築家。

 

 

 

 

マジストレッティは1945年にミラノに戻り、その年にミラノ工科大学を卒業すると父親が所有する建築会社で働き始めました。

ヴィコ・マジストレッティ 少年期出典:Storie Milanesi

▲ヴィコ・マジストレッティ(写真右)と建築家の父ピア・ジュリオ・マジストレッティ(写真左)

 

 

1950年代になると父親の会社から離れ、家具や照明のデザイン分野に本格的に移り、1960年代にはイタリアの家具ブランドArtemide(アルテミデ)や照明ブランドOLUCE(オルーチェ)といった世界の主要メーカーとのコラボレーションを開始しました。

 

 

 

 

 

現在、マジストレッティがデザインした家具や照明作品はヨーロッパ、アメリカ、日本の最も重要な国際美術館で展示され、12点もの作品がニューヨーク近代美術館(MoMa)などのさまざまな常設展示博物館で目にすることができます。

 

 

 

 

カリマテチェア

カリマテチェア出典:Fritz hansen

 

カリマテ(カリマーテ)チェアは、ヴィコ・マジストレッティ が1959年にイタリア北西部のロンバルディア州のカリマーテにあるゴルフクラブのためにデザインされたチェアでCassina(カッシーナ)から販売されました。

 

 

 

 

現在販売されているカリマテチェアは、当時のオリジナルの赤いカリマテチェアに敬意を表し、フリッツ・ハンセン社にて製作されています。

 

 

 

 

当時、ガーディアン紙に

「マジストレッティの最初の大成功は、Cassinaが製造した世界的に有名な『カリマテチェア』だ。滑らかなラインとポップアートのような真っ赤なフレーム、スカンジナビアデザインの要素を持ち合わせている」

と大々的に紹介され、チェアは何年もの間ベストセラーとなりました。

karimate カリマテ ヴィコ・マジストレッティ出典:Fritz hansen

 

カリマテチェアのシートには天然素材である「藁(わら)」が当時使用されていましたが、現在は欧州産のGMO(遺伝子組み換え原材料)フリーの「亜麻(フラックス)」が使用されていて、110メートルもの長さの紐が手作業で張られています。

 

 

 

 

マジストレッティはデザイン当初、濃厚な黒または赤のラッカーの2色のみを指定したため、カラーバリエーションは現在でもこの2色のみです。

フリッツ・ハンセン カリマテチェア出典:Fritz hansen

 

 

セレーナチェア

SELENE セレーネ チェア出典:MoMA

▲前後の脚の幅が違う(前脚が狭く後脚が広い)ため、スタッキングが可能

 

 

セレーナチェアは、ヴィコ・マジストレッティが1969年にデザインしたチェアで、Artemide (アルテミデ)より1969年に発表した作品です。

 

 

 

 

このセレーネチェアは、当時では新素材であったプラスチック素材を使用して、座面や背もたれ、脚が一体化した構造で作られていることに大きな特徴があります。

 

 

 

 

しかし圧縮成形のプラスチックを使用すると、ヒビが入ってしまったり、割れてしまうなどの強度に対する課題がありましたが、背もたれと後脚の交差する部分を「S字にひねる」事によって、この強度における技術的な課題をクリアすることができました。

ヴィコ・マジストレッティ セレーネチェア出典:ItalianDesign900

▲脚をS字型に湾曲させることによりプラスチック素材でも強度を高めている

 

 

プラスチック製の椅子には様々な名作チェアがありますが、セレーネチェアはイタリアンモダンデザインを代表するプラスチックチェアの傑作です。

 

 

 

 

この椅子の高い評価は、MoMAの永久コレクションに選定されていることからも分かります。

 

ナンタルカ
ナンタルカ
「SELENE(セレーネ)」とはギリシア神話に出てくる月の女神『セレーネ(セレネ)』から名付けられているですにゃ。ぴかぴかと光り輝く様子からイメージしたのかにゃあ

 

 

アトーロ

アトーロ ヴィコ・マジストレッティ出典:MAAKET

 

Atollo(アトーロ)は1977年にヴィコ・マジストレッティによって設計され、『OLUCE (オールーチェ)』から販売された照明です。

 

 

 

 

それまでの照明の概念を覆し、ベッドサイドランプ、デスクランプ、フロアランプと様々な使い方のできるアトーロは、長年にわたって「ランプ」のデザインの原型となり、1979年に『コンパッソドーロ賞(※)を受賞しました。

※コンパッソドーロ賞とは

イタリア語で「金のコンパス」を意味する言葉で、1954年にジオ・ポンティが発案したイタリアンデザインの向上を目的とした工業デザイン賞の名前です。

優れたデザインに対して3年に1度贈られ 、コンパッソ・ドーロ賞はある意味世界一の栄誉といっても過言ではないほどの最高の賞です。

 

ヴィコ・マジストレッティ アートロ出典:MAAKET

▲アトーロは本体に金属素材を使用した「メタルタイプ」と全体が優しく発光する「ガラスタイプ」がある。上の写真はガラスタイプでサイズは3サイズから選べる。

 

 

照明を構成する幾何学的形状の「円柱」、「円錐」、「半球」は、装飾的であると同時に不可欠な機能を生み出し、流行とは関係のない永遠のデザインは、今ではイタリアだけではなく世界中のランプとしてのアイコンとなっています。

 

 

ナンタルカ
ナンタルカ
アトーロの特徴的でシンプルなデザインは、きっとあなたもどこかで見かけたことがあると思いますにゃ。もちろんMoMAをはじめ、世界中の有名な美術館でも収蔵されておりますにゃあ〜

 

 

 

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お疲れ様でした!

 

 

ここまで読んで頂きありがとうございます。

 

 

分かりにくい点やお気づきのことがあれば、メールでご連絡頂けましたら幸いです。

 

 

では、次回もお楽しみに。

 

 

 

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