こんにちは、しけたむです!
この記事では
- 「インテリアグリーンの種類についてもっと知りたい。」
- 「ハイドロカルチャーってなに?」
という皆様に向けて、多肉植物やエアープランツ、ハイドロカルチャーについて画像で解説します。
▼インテリアグリーンの前編はこちらから!▼
多肉植物とは?
多肉(たにく)植物とは、さわるとプニプニとした肉厚な葉や茎を持つ植物の総称で、近年注目されているインテリアグリーンの代表的な植物です。
この肉厚な葉や茎は乾燥地帯でも生き延びるために水分を溜め込めるようになっていて、多くの多肉植物は南アフリカやメキシコ、中央アメリカなどに自生しています。
日本では沖縄や奄美大島、南西諸島などの温暖な地域でも多くの種類を見ることができます。
多肉植物の仲間はとても多くてその性質も千差万別ですが、日本のホームセンターなどで手に入る種類なら基本的に丈夫で栽培が簡単なものが多いです。
多肉植物は乾燥した環境に生息していた植物、つまり水やりを頻繁に行う必要がないということから初心者にも育てやすいといえますが、水はけが悪かったり水やりの頻度を多くしてしまうと根っこが腐る原因となるので注意しましょう。
また一般的な多肉植物は日光を好むため、十分な日当たりを確保する必要もあります。
▲多肉植物は多くの種類があるので、必ず適した生育環境で栽培できるか確認が必要。
サボテン
サボテン(シャボテン、覇王樹)とはサボテン科に属する多肉植物の総称で、乾燥した砂漠地帯であるアメリカ南西部、メキシコやアルゼンチンを原産地として世界中に2,000以上の種類が存在します。
乾燥した環境に適応するため茎や葉の表面が厚く、ほかの植物とは異なるユニークな見た目をしていること、また綺麗な花を咲かせる種類も多いことからインテリアグリーンとしての人気はピカイチです。
サボテンは温かく乾燥した場所を好むため、日当たりがよく風通しの良い場所に置き、水はけのよい土を使って水をあげすぎないようにします。植える鉢に排水孔が無いと、鉢の底に水が溜まって根腐れの原因となるので注意してください。
また鋭いトゲをもつサボテンの種類は手袋などを着用して取り扱うようにしましょう。
出典:楽天市場
▲するどいトゲを持つことで有名なサボテン『ブルーバレルカクタス(フェロカクタス、王冠竜)』は夏場は月に2回、冬場は月に1回ほどの水やりでよい。
「トゲがあるのは怖いなー」という方には、トゲが退化してしまったタイプのサボテンから選ぶのが良いでしょう。
『アストロフィツム』は丸いフォルムが愛らしく、白く短い毛の斑点がまるで星空のように見えることから有星類と呼ばれて非常に人気の高い種類です。
出典:SOLXSOL
▲アストロフィツムはその見た目から「兜(かぶと)」とも呼ばれ、斑点の多いものは「スーパー兜」、斑点の無いものは「瑠璃兜(るりかぶと)」と呼ばれる。
大きなサボテンをインテリアのアクセントに取り入れたい時は『柱サボテン』がオススメです。名前のとおり柱のような高さのあるサボテンで、どっしりとしたフォルムが圧倒的な雰囲気を醸し出してくれます。
小さなサボテンと同様に、内部に水を蓄えているため水やりの手間がかからない柱サボテンは、初めての観葉植物としてもオススメです。
出典:ANDPLANTS
▲柱のような形状をしているサボテンを総称して『柱サボテン』と呼び、時折大きな花を咲かせる品種もある。
アロエ
出典:Kurashi-no
▲アロエの中でも寒さに強く日本でもよく見られる種類の『キダチアロエ』は、「キダチ(木立ち)」という名前の通り茎が木のように伸びて大きくなる。12−3月頃には赤色の花が咲くことも。
アロエとは南アフリカを原産地とする多肉植物の一種で、肉厚の葉に多数のトゲがついた特徴的な見た目や、乾燥に強い育てやすさからインテリアグリーンとしても人気があります。
日本では『キダチアロエ」』という種類がよく見られます。
このキダチアロエは小型で葉が細くてトゲもあまりなく、くるんと丸みを帯びた葉っぱ形状が特徴的です。この葉には炎症を抑える効果や傷口を癒す効果があるとされていて、また栄養分を豊富に含んでいるため健康食品、化粧品原料としても利用されています。
出典:rakuten
▲小さな鉢に入ったものから大きなものまで、サイズはさまざま。『キダチアロエ』
もうひとつ、『アロエ・ベラ』というキダチアロエよりも大きな種類も人気があります。
アロエ・ベラはヨーグルトに入っていることで皆さんに馴染みの深いアロエで、この葉に含まれるジューシーな液体は保湿効果や炎症を抑える効果があるとされています。
▲アロエ・ベラ(右)はキダチアロエ(左)と比べて葉っぱが太くて大きい。
アロエ・ベラはキダチアロエに比べると寒さに弱い品種なので、暖かい環境での栽培が必須となります。
以上のようにアロエは多様な種類を持ち、様々な効能があるためインテリアグリーンとしてだけでなく、美容や健康にも利用されています。
育てやすく見た目も美しいので、初心者から上級者まで幅広く楽しめる植物といえるでしょう。
アガベ(リュウゼツラン)
出典:mana’s green
▲アガベの中でも近年人気の高い『アガベ・チタノタ』は、放射状に広がる葉についたややワイルドなトゲが特徴的で様々なサイズで販売されている。
アガベとは、メキシコを中心にアメリカ南西部や中南米の熱帯地域などに広く分布する多肉植物で、食用・繊維作物・観葉植物として100種類以上が知られています。
アフリカ原産のアロエに似ていますが、アガベは「リュウゼツラン科」でアロエは「ツルボラン科」でまったく異なる植物です。
▲アガベの一種『アガベ・テキーラナ(テキラ・リュウゼツラン)』は、日本でも有名なメキシコを代表するお酒「テキーラ」の原料となる。
アガベは乾燥地帯に自生する植物なので乾燥に強く丈夫なため、初めての観葉植物にもぴったりです。耐寒性も強いので温暖な地域では屋外でも越冬することができます。
出典:nu
▲生長するにつれ茎が立ち上がって伸びていき、樹木のような姿が楽しめる『アガベ・アテナータ』も人気の品種。ちなみにアガベはごく少数の例外を除いて、1年目で発芽、2年目で成長、3年目に花を咲かせて枯れてしまうという「一回結実性(いっかいけつじつせい)」の植物である。
▲センチュリープランツ『アオノリュウゼツラン』が最後の力を振り絞って咲かせた花。下にある葉の部分はほとんど枯れてしまっている。(ポルトガル)
コーデックス
▲太い幹が特徴的なコーデックス『パキポディウム・グラシリウス』
コーデックスとは熱帯地域を中心に生息する多肉植物の一種で、極端に太く大きな幹である「塊根(かいこん)」を持つことから塊根植物とも呼ばれます。塊根は、直径数十センチメートルから数メートルにも及び、そこから葉や花を出します。
様々な種類が存在しますが、肉厚で固い茎や葉を持ち、まるで石のように見えるユニークな形状と風合いから鑑賞用として高い人気があります。
コーデックスは、砂漠地帯や乾燥地帯などの過酷な環境に適応しているため、水が少なくても育つことができます。また、塊根の蓄えた水分や栄養素を利用して生長するため、栽培も比較的簡単です。
出典:mana’s green
▲白と緑のツートンカラーがかわいい『アデニア・グラウカ』
エアープランツ
エアープランツとは、空気中の水分や栄養分を吸収して育つ、ちょっと不思議な植物の一種です。
地上に根がなく、土壌を必要とせず、葉から雨や空気中の水分を直接吸収するため、鉢や土の中に植えなくても育てることができます。
エアープランツは葉の形が他の植物には無いような独特な形状をしていたり、不思議な模様が入ったもの、美しい色彩を持つものなど個性的で魅力的なものが多く、インテリアとしても高い注目を集めています。
また育てるのがとても簡単で、水やりが必要なのは夏場でも週に1回程度。霧吹きでスプレーして濡らしておくだけでOKです。また、風通しのよい場所で育てることが大切です。
日本のインテリアショップでも手軽に手に入る代表的なエアープランツを3つ紹介します。
チランジア・ストリクタ
チランジア・ストリクタ(Tillandsia stricta)は南アメリカ原産のエアープランツの一種です。手のひらに収まるくらいの小型サイズで、インテリアコーディネートの際にもアクセントとしてよく用いられます。
花が咲く時期になると赤やピンクなど鮮やかで美しい色の花を咲かせ、部屋に華やかな雰囲気をもたらしてくれます。また手入れが簡単で、水を与える必要も少ないため初心者でも育てやすいとされています。
▲エアープランツは流木と合わせて置くだけでどんなインテリアにも合うオブジェになる。
チランジア・ウスネオイデス(サルオガセモドキ)
チランジア・ウスネオイデス(サルオガセモドキ)は、樹上から垂れ下がる見た目が特徴てきな灰緑色の植物です。成長すると全体の長さは5mにも達することがあります。
北米南部から南米にかけての広い地域に見られ、樹上から大量に垂れ下がる独特な景観をつくります。触り心地はふわふわとしているため、地域によってはクッション材や梱包のための緩衝材としても利用されています。
出典:ebay
▲樹上から垂れ下がる大量のサルオガセモドキ。どのような環境にも適応できる生命力の強さがあり、雨がほとんど降らない砂漠や標高の高い山にも自生している。
サルオガセモドキは栽培に適した環境と成長に必要な最低限の水分が確保できれば、こまめな手入れは何も必要ありません。
ただし直射日光や人工的な環境が苦手なので、強い日差しやエアコンの風が直接当たらないようにしてあげてください。
▲サルオガセモドキは高いところから垂れ下げて見せるのが正解。
チランジア・キセログラフィカ
チランジア・キセログラフィカ(Tillandsia xerographica) はメキシコ、グアテマラなど中央アメリカに固有のエアープランツで、高さ30cm、直径60cmと大きく成長することから「エアープランツの王様」とも呼ばれています。
くるんとカールした葉っぱと、葉の表面に生えた「トリコーム」と呼ばれる白いうぶ毛のようなものが特徴的で、そのまま置いたり、流木にくっつけたり、ハンギングで吊るしたりと様々なディスプレイ方法で楽しむことができます。
出典:Amazon
▲置くだけで素敵なインテリアになるキセログラフィカ。乾燥にも強いので初心者にも安心。
キセログラフィカは「風通しのよい明るい日陰」で育てると元気に育ちます。窓の大きなお部屋やリビング、レースカーテン越しの窓際などに置いてあげましょう。
直射日光に長時間当たってしまうと「葉焼け(日焼けして変色してしまうこと)」といって、枯れる原因になります。
水やりの頻度は、夏場など多い時で2~3日に1回、水がしたたるくらい霧吹きで吹きかけましょう。冬場は週に1回程度で十分です。
▼インテリアグリーンのコーディネートはこちらで解説しています▼
ハイドロカルチャー
観葉植物は、その美しさや癒し効果からインテリアコーディネートに欠かせないものとなっています。
しかし、水やりの手間や虫が寄ってくるのでは?という心配から、育てるのを諦めた経験はありませんか?
そんな方にオススメなのが、ハイドロカルチャーという水栽培方法です。
ハイドロカルチャーとは?
ハイドロカルチャーとは土を使わずに水だけで植物を栽培する方法のことです。
「ハイドロ」とはギリシャ語で「水」を意味し、「カルチャー」は農業や園芸の分野でよく使われる言葉で「植物を栽培するための方法や技術、またはそれを行う場所や環境のこと」を指します。
土を使わないということで、代わりにガラス玉や色のついた石などを入れてカラフルに装飾して楽しむことだって出来ちゃいます。
出典:Green snap
▲様々な素材とカラーリングが使用されたハイドロカルチャー。土を使わないので害虫の心配も少ない。
ハイドロカルチャーは土を使った栽培に比べると、土による手の汚れを無くし、害虫被害のリスクを最小限に抑え、また根っこが見えることで根の成長まで観察できるなどのメリットがあります。
逆にデメリットとして、根腐れが起きやすいという点が挙げられます。 単純に水を与えすぎているケースもありますが、根が排出する老廃物が容器内に溜まり根が腐ることがあるのでこまめな水交換が必要です。
土栽培であれば、排出された老廃物は土中の微生物が分解してくれます。
出典:私的植物生活概論
▲透明なガラス瓶で育てたハイドロカルチャーは根っこの成長が見えやすく健康状態も管理しやすい。
ハイドロカルチャーを行う際には土の代わりにハイドロボールと呼ばれる特殊な球状の素材を使用するのが一般的です。
これは植物の根を支えるだけでなく、酸素や水分の通り道を確保する役割を持っています。
出典:Rakuten
▲ハイドロカルチャーでよく使用されるハイドロボールは、粘土を高温で焼いて発泡させたもの。
また炭が持つ水の殺菌・浄化作用を利用したものもあるので、いろいろと試してみるのもよいでしょう。
▲ハイドロボールの代わりに炭を使ったハイドロカルチャー。夏場は水の温度が高くなりすぎると根っこを痛めるので、水を入れる量にも注意が必要。
お疲れ様でした。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
わからないことや分かりにくい箇所があれば、ぜひお問い合わせよりご連絡ください。
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