こんにちは、しけたむです。
この記事では
- 「ロココ調や姫系のインテリアが好き。」
- 「猫の足のカタチをした家具って、どんなもの?」
という方のために
ロココ様式の特徴を分かりやすく画像で解説します。
ロココ様式とは?
▲ロココ時代晩期の画家、ジャン・オノレ・フラゴナールの作品『The swings』(1767年)
ロココは18世紀前半にフランスに始まり、ドイツ、ロシアへと広まりヨーロッパの宮廷や教会でも採用された様式で、バロック様式と同様に古典様式を規範としています。
曲線を好む豊かな装飾性はバロック様式と似ていますが、「ド派手で重厚な装飾」のバロックに比べてロココ様式は貴族の退廃的、享楽的生活傾向に基づいた「優美軽快で洗練された装飾」を特徴としています。
出典:カメライゼ
▲美しいロココ様式の装飾で有名なドイツのキリスト教会『ヴィースの巡礼教会』(1754年)
▼バロック様式についてのおさらいはこちらから!▼
とは言ったものの、バロックとロココの境界は必ずしも明確ではなく、「ロココはバロックの一種」とみなす考え方もあります。
そんなロココ様式では、バロック様式とは異なる新しい装飾が加わりました。
それが「ロカイユ装飾」です。
ロカイユ装飾とは貝殻や小石、植物などのモチーフを特徴とした装飾のことで、壁や天井の室内装飾や家具装飾としてロココの時代に流行しました。
▲ドイツにある『アモールバッハ修道院』の貝をモチーフとしたロカイユ装飾
▲家具装飾に使用されるロカイユ装飾『Commode by Charles Cressent』(18世期中期)
出典:Trip.com
▲ドイツの『ニンフェンブルク城』にある壁と天井一面のロカイユ装飾
「ロカイユ(rocaille)」という言葉は、フランス語の「岩(roc)」から派生した言葉で「ロココ」の語源です。
ロカイユは、もともとバロック時代の庭園に造られた「洞窟(グロッタ)」に見られる「貝殻で装飾された石組み」のことを指しますが、それが転じて、18世紀前半に流行していた曲線を多用する繊細なインテリア装飾を「ロカイユ装飾」と呼ぶようになりました。
出典:omonchateau
▲ロココ様式の装飾の起源となった人工洞窟グロッタにある貝殻で装飾された石組み「ロカイユ」
格式の高い建築ではロカイユ装飾も豪華となり、壁と天井の境界が不明確となるほどの装飾が見られるのもロココ様式の特徴でした。
▲「ロカイユ装飾」によって壁と天井の境界が不明確となっている『オテル・ド・スービーズ』
また「ロココ」という言葉が一般的に広まっていますが、もともとこの言葉は蔑称であり、ロココ期に統治していたフランス王ルイ15世の名前からフランスのロココ様式は『ルイ15世様式』と呼ばれることも多いです。
ロココが与えた影響は、建築やインテリアの分野だけに留まらず、陶芸や絵画などの芸術分野にまで幅広く及びました。
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ロココの代表建築と装飾
オテル・ド・スービーズ
▲「スービーズ館」とも呼ばれる『オテル・ド・スービーズ』は18世期に建てられたフランスの邸宅で、現在はマリー・アントワネットの遺書やルイ16世の婚姻届などが保管されている国立の古文書館となっている。
ロココのインテリアは、ロカイユ装飾が用いられた室内にその特徴が存分に現れています。
まず今まで左右対象のシンメトリーの原則が重んじられていましたが、その原則が細部で破られ、アシンメトリー(左右非対称)が用いられるようになり、色彩は淡いソフトな色調が好まれました。
代表的な室内装飾はパリにある『オテル・ド・スービーズ』に見られます。
オテル・ド・スービーズ(Hotel de Soubise)は、18世紀まで貴族たちの邸宅地として栄えていたフランス・パリのマレ地区にある館で、所有者の名前から「スービーズ館」とも呼ばれています。
建設はルイ14世時代末期の1705年から1709年にかけて行われ、設計は新進気鋭の建築家「ピエール・アレクシス・ドラメール」が担当、古典的な装飾である「オーダー」や「ペディメント」が用いられたシンメトリーな外観の建物です。
出典:Pinterest
▲もともとは1375年に建てられたマナーハウス(地主・荘園領主の邸宅)を、スービーズ王子が買い取って改築した。ちなみにスービーズ王子の妻は元・ルイ14世の愛人。
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オテル・ド・スービーズの内部装飾は、1735年から40年にかけて優秀な建築家でもある「ジェルマン・ボフラン」によって行われました。
ボフランはルイ15世時代に活躍した建築家ですが、彼の現存する作品は少なくこの館の内装は大変貴重です。
オテル・ド・スービーズ内にある『王女の楕円形サロン』は、壁面と天井がロカイユ装飾で繋がり、いたるところにプッティ(子供の天使)が戯れています。
▲『王女の楕円形サロン(Salon Oval de la Princesse de Soubise)』
アーチ型のフランス窓、それに合わせた大きな鏡、そして至るところに煌びやかな金色の装飾が施されている。パリ市内にあるロココ様式のサロンとしては最高傑作との呼び声も高い。
▲『王女の楕円形サロン』の天井は壁から天井まで曲面で繋がり、壁と天井の間の縁にはモールディングで装飾されている。
現在は家具調度もほとんど置かれていない『王女の楕円形サロン』ですが、室内装飾ではロココ様式の装飾技術の到達点を見せています。
出典:Bluesy
▲『大公妃の寝室 (Chambre de la Reine) 』
スービーズ妃の寝室。格調を重んじる中にも繊細な彫り物や流れるように湾曲した手摺の細工などはロココ様式の最高峰としても名高い。
カブリオールレッグ(猫足)
出典:1stDIBS
▲内側に巻いた特徴的なデザインはこのロココ様式特有のデザイン
カブリオールレッグは、インテリア好きな方は聞いた事がある方もしれませんね。
テーブルや椅子などの家具の脚部上部が外側、脚部下部が内側に張り出し、脚先が前に出たS字の形状の脚部デザインのことです。
脚の先端のデザインが猫の足のように見えることから「猫足(ねこあし)」とも呼ばれ、くるんと内側に丸まったデザインや、ボールを爪でつかんだようなデザインなどがあります。
▲優雅に湾曲した脚の形は現代でも人気が高い。椅子の装飾だけでは無く、収納家具やバスタブにもカブリオールレッグが使用されている。
出典:1stDIBS
▲山羊の脚のようなデザインのカブリオールレッグ
カフィエリ家
出典:Pinterest
▲ベルサイユ宮殿の「時計の間」にある置き時計はジャック・カフィエリの傑作
ロココの時代には金属工芸が極められ、優れた彫金師が現れました。
ジャック・カフィエリはイタリア出身で、バロック後期からロココ初期にかけてフランスで活躍した金属工芸作家、彫金師です。
ブロンズにメッキを施した装飾彫刻、金具などに優れ、ルイ15世様式における代表的作家として宮廷の愛顧を受け、燭台(しょくだい:ロウソクを立てる台)、置き時計、シャンデリア、家具の装飾金具の製作でいくつもの傑作を生み出しました。
とくにベルサイユ宮殿にある「時計の間」の置時計は、傑作として名高く、その装飾もさる事ながら、刻む時間に1秒の誤差も起こらないと言われています。
ジャック・カフィエリの息子であるフィリップ・カフィエリ(1714―74)もルイ15、16世治下に活躍し、多くの装飾作品を手がけました。
出典:Lotserch
▲フィリップ・カフィエリが若い頃に製作した猫とプードルのブロンズ製彫金細工
また、フィリップ・カフィエリの弟でもあるジャン・ジャック・カフィエリ(1725-92)の他、5人兄弟の全員が彫刻家、鋳金家、彫金家で、カフィエリ家は優れた作品を数多く残しロココ時代に一世を風靡しました。
出典:British Museum
▲優れた美術家に贈られる『ローマ大賞』を1748年に受賞した「ジャン・ジャック・カフィエリ」(ジャック・カフィエリの息子)は胸像作品を得意とした。
クイーン・アン様式とは?
出典:Foster Travel Publishing
▲ 『カーソン邸』はカリフォルニア州にある19世期に建てられた住宅で、クイーン・アン様式で建てられた建築の最高傑作の1つと見なされている。
イギリスではアン女王のクイーン・アン様式がロココ時代にあたります。
クイーン・アン様式とは、18世紀前期のイギリス女王アン・スチュアートの治世期間(1702−1714)に流行した建築・家具の装飾様式のことです。
▲イギリス女王アン・スチュアート(1665 – 1714年)はブランデーの飲み過ぎによる極度の肥満体質で、どこへ行くにも輿(みこし)に担がれていた。晩年は全く歩くことができないほど肥満による痛風に悩まされ、葬儀の際の棺桶はほぼ正方形に近いものだったという。
クイーン・アン様式の特徴は、前時代のウィリアム・アンド・メアリー様式の特徴を引き継いでいて、あまり華美では無いシンプルで控えめな装飾と古典的なデザインにある程度の優美さを加える傾向があります。
▲大きなベイ・ウィンドウ(出窓)のあるクイーン・アン様式のインテリア例
▼ウィリアム・アンド・メアリー様式はこちら▼
また漆塗りの家具なども重宝され、中国趣味もクイーン・アン様式の特徴の一つと捉える専門家もいます。
このようなヨーロッパで流行した中国趣味のことは『シノワズリ』と呼ばれ、1750年から1765年頃のロココ期にこのブームは最高潮に達しました。
出典:George N Antiques
▲当時、イギリス・中国間の貿易がさかんに行われ、イギリスは茶、生糸、陶器などを輸入し、中国へは毛織製品、鉛、鉄などを輸出していた。家具にも装飾や漆塗りの技法など、中国からの影響が色濃く感じられる。『Tea Table』(18世期)
家具においては豪華さよりも古典主義的な軽快で優雅な形を重視して、カブリオールレッグや彫刻、透かし彫り(※)などの装飾が用いられました。
(※透かし彫り:素材を彫りぬいて、向こう側が透かして見える模様や技法のこと。)
家具材や内装材には、重厚感のあるウォルナット材が好まれました。
出典:Mia
▲1720年頃のクイーン・アン様式の部屋の再現。カブリオールレッグの家具やウィングチェア(後述)が置かれ、ウォルナット材を使用した落ち着いたインテリアとなっている。
また、この時代はイギリスがアメリカ大陸へ入植を始めた時代であった為、アメリカでもクイーン・アン様式の家具が広く発展してゆきます。
▼アメリカのインテリア様式はこちらからどうぞ!▼
クイーン・アン様式の家具
ウィングチェア
出典:Pinterest /ウィングチェア
▲座った時に頭部が風や熱から守られるように、背面の左右端にガードが付いたデザインになっている
クイーン・アン様式では、安楽椅子(あんらくいす)のウィングチェアが流行しました。
安楽椅子とはアームレスト(肘掛け)が付いた休息性の高い椅子のことで、英語では「イージーチェア」とも呼ばれます。
このウィングチェアは「ウィングバックチェア」とも呼ばれ、元々は頭部への暖炉からの熱を避けたり、風から守るために背中の左右に頭部を守るように耳(ガード)をとりつけ、この耳を羽に見立て「ウィングチェア」と呼ばれるようになったそうです。
トールボーイ
トールボーイとはクイーン・アン様式で流行したカブリオールレッグの収納家具です。
日本の箪笥(たんす)と同じようなもので、そのデザインからはシノワズリ(中国趣味)を感じられるものが多いです。
18世紀のイギリスで流行しましたが、植民地時代のアメリカにも輸出されるとたちまち広まり、その見た目から「トール(tall)ボーイ 」とか「ハイ(high)ボーイ 」という俗称で呼ばれる様になりました。
▼アメリカに広まったハイボーイはこちらから▼
クイーン・アン様式の建築
出典:Foster Travel Publishing
▲イリノイ州エバンストンにある1895年頃に建てられたクイーン・アン様式の住宅。アシンメトリー、大きなポーチ、出窓、円型の塔などの特徴がある。
クイーン・アン様式の建築は左右非対称なアシンメトリーデザインが典型的で、家の外観をあえて不規則にするデザインが流行し、ベイ・ウインドウ(出窓)もこの時代に多く設置されました。
また寄棟屋根が多く、屋根には八角形の塔をのせたり、玄関からつながる大きなポーチも特徴的です。
出典:Architectural Styles of design America and Europe
▲テキサス州にあるクイーン・アン様式の住宅。アシンメトリーな外観と大きなポーチ、八角形の塔が特徴的。古典様式の特徴も建築に組み込まれ、アーチやオーダーが採用されている。
さらに、軒飾り(のきかざり)やベイ・ウィンドウ(出窓)が多用される点も特徴といえるでしょう。
出典:Foster Travel Publishing
▲軒下に見られる軒飾りの装飾『カーソン邸』(19世期)
▲20世期に建てられたクイーン・アン様式の住宅の軒飾り
▲出窓とは、建物の壁より外に張り出した窓のこと。張り出し部分が台形になった「台形出窓」(ベイ・ウインドウ)や、弓形の「ボウ・ウインドウ」などの種類がある。
チッペンデール様式とは?
▲トーマス・チッペンデールが1755年ごろ製作した「リボンバック」のチェア
チッペンデール様式は、18世紀中期のイギリスの家具デザイナー「トーマス・チッペンデール」(1718−1779年)が創案した家具様式で、マホガニー材(※)を多用した「シノワズリ(中国趣味)」と「ロココ様式」を調和させたデザインで有名です。
(※マホガニー材はチーク材、ウォルナット材と並ぶ「世界三大銘木」と呼ばれる高級木材)
代表的なチッペンデール様式の家具装飾には、背もたれに「リボンバック」と呼ばれるリボンを絡ませたような優雅で緻密な透かし彫りが用いられました。
▲マホガニー材で作られたリボンバックのチェア
トーマス・チッペンデールは1718年に現在のイングランド・ヨークシャー州に生まれ、9歳で家具師の父と共にロンドンに出てくると本格的に家具について学び、30歳で家具デザイナーとして独立しました。
ロンドンでは上流階級の邸宅などに本格的な家具製作を行ったり室内装飾のデザインを手がけると、次第に人気に火がつき多くの仕事が舞い込みはじめます。
出典:V&A
▲トーマス・チッペンデール(左)と家具メーカーの打ち合わせ。トーマスは自ら家具製作を行わず、あくまで家具デザイナーであったため、メーカーに製作依頼を行なっていた(1770年頃)
トーマスは36歳の時に、家具の専門書として『紳士と家具師のための指針』という本を出版して、一躍この時代の最も旬な人気家具デザイナーになりました。
この本は家具のスケッチや寸法が記載された、現代で言うところのいわゆる「家具カタログ」で、顧客がこの本から家具を選んでトーマスに注文し、トーマスが家具メーカーに製作を指示する、というのが一般的な注文の流れでした。
出典:Incollect
▲頂部に特徴的な装飾が施されたチッペンデール様式の本棚。本体はマホガニー材が使用されている。(1750年頃)
50歳を過ぎてもまだまだ現役だったトーマスは、1770年代からはネオクラシズム(新古典主義)の建築家ロバート・アダムが設計したリーズ(イングランド北部)近郊の『ヘアウッド・ハウス (Harewood House)」 』やロンドン郊外の『オスタレー・パーク (Osterley Park) 』などの邸宅に、マホガニー材を用いた新古典様式による精巧な家具をデザインしました。
▼ネオクラシズムのロバート・アダムはこちらにて▼
ヨーロッパの磁器
出典:China Press
▲ロココを代表する画家フランソワ・ブーシェが描いた『The Chinese Garden』(1742年)
18世期ヨーロッパではシノワズリ(中国趣味)が流行し、織物・家具・陶磁器などにその影響が表れています。
陶磁器では磁器産業が台頭し、ドイツの『マイセン』、フランスの『セーブル』、『リモージュ』など多くの地で優れた磁器が作陶されました。
また、イギリスでは軟質磁器の『ボーン・チャイナ』が有名です。
マイセン
▲1770年ごろに作陶されたマイセンの磁器プレート。羊飼いの少女が2頭の羊を横に置き土手に座っているシーンが描かれ、プレートは金メッキで縁取られている。
マイセンは、ドイツのマイセン地方で作陶される磁器です。
現在では名実ともに西洋白磁の頂点に君臨する名窯で、その名を聞いた事がある方も多いと思います。
ヨーロッパではじめての磁器は、1709年にザクセン王国(現在のドイツ)で発明され、その首都ドレスデンに近いマイセンで作陶されました。
このマイセンで磁器の作陶が開始される前の17世紀ごろ、ヨーロッパでは東洋からもたらされた美しい白い磁器(白磁)は「白い黄金」と呼ばれ憧れの芸術品でした。
出典:CHRISTIE’S
▲1724年ごろに作陶されたマイセンの磁器製ティーポッド。シノワズリの絵付けがされている。
なんとか美しい磁器を国内で作ろうと各国がその製造を急ぎ、当時のザクセン王国の王様は錬金術師を監禁して強制的に磁器製造の秘法を研究させました。
そして物理学や数学、哲学の有識者などの協力を得て、監禁された錬金術師は1708年にようやく磁器に近いものを作り上げ、1709年には白磁製法の解明に成功します。
こうして1710年、ついにヨーロッパ初の硬質磁器窯「マイセン」が誕生するのです。
セーブル焼
出典:CHRISTIE’S
▲1759年頃に作陶されたセーブル焼のカップ &ソーサー、シュガーボウル、トレイ
セーヴル焼はフランスのセーヴルで生産される磁器で、ロココ様式特有の華やかな絵画のような絵付けが特徴で、鮮やかな彩色が使用されています。
陶工のフランソワ・グラヴァンがルイ15世や、その公妾(こうしょう:愛人のこと)ポンパドゥール夫人などからの出資を受け、パリとヴェルサイユの中間に位置するセーヴルの町に王立窯を構えました。
このセーブル焼きで有名だったのが「ブリュ・ド・ロワ(国王の青)」と「ローズ・ポンパドゥール(ポンパドゥールの薔薇色)」と呼ばれる釉薬を使った磁器です。
ブリュ・ド・ロワは酸化コバルトを顔料とした濃紺色で、王家以外の何人も使えない禁色とされました。
▲18世紀に作陶された「ブリュ・ド・ロワ」のソーサー
ローズ・ポンパドゥールは中国の彩釉の影響を受けた優雅で洗練された色で、ポンパドゥール夫人が特に好んだと言われます。
出典:invaluable /ローズ・ポンパドゥール
リモージュ焼
出典:SUGER et SIE
▲19世紀後半に作陶されたリモージュ焼のティーセット
セーブル焼の高い技術は、のちにフランス中部の町「リモージュ」へ技術が渡り、リモージュ焼が量産磁器として普及しました。
リモージュ焼といえば、透き通るような白磁に、クラシックで優雅な絵付けがほどこされた気品あるデザインが特徴的です。
1771年を起源の年として、現在まで生産を続けています。
▲1880年頃に作陶されたアンティークリモージュのカップアンドソーサー
ボーン・チャイナ
ボーン・チャイナとは、18世期半ばにイギリスで発明された磁器です。
イギリスでは、美しい白色を出すのに不可欠なカオリンという粘土が入手困難でしたので、それに代わるものとして骨灰(こっぱい)と呼ばれる牛の骨を混ぜて時期を作陶したものがボーン・チャイナと呼ばれます。
骨灰を混ぜて作ることから「骨灰磁器(こっぱいじき)」という呼び方もあります。
透光性のある白色で柔らかな風合いが特徴で、彩色もしやすいので様々な絵付けが施されました。
出典:アンティーク・パストラーレ
中国の磁器を模倣して発明された為、東アジアの雰囲気を感じるデザインが多いです。
ナンタルカのまとめ
■ロココの代表的作品
(①)様式とも呼ばれるロココ様式の代表作品には、ジェルマン・ボフランが室内装飾を担当した(②)があり、室内装飾には貝殻や小石、植物などのモチーフを特徴とした装飾である(③)などで飾られた。イギリスではアン女王統治時代の(④)様式がロココ期にあたる。
■ロココ様式の家具
(1)ロココの家具は曲線的な構成と金色などを用いた優雅な仕上げが特徴的で、家具の足には猫足とも呼ばれる(①)が多用された。また安楽椅子では(②)が有名で、(③)はシノワズリの重ね箪笥として流行した。
(2)家具作家(①)によるチッペンデール様式の家具はバラエティに富み、背中の意匠に(②)という透かし彫りなどが用いられ、シノワズリのデザインも得意とした。また、金属工芸も極められ、彫金師一族である(③)が台頭した。
■ヨーロッパ磁器の産地
18世器ヨーロッパでは中国趣味の様式である(①)が流行し、織物、家具、陶磁器などに中国からの影響が見られた。陶磁器では磁器産業が興隆し、ロココ特有の華やかな絵付けが特徴であるフランスの(②)や、量産磁器として普及した(③)、西洋白磁の頂点に君臨する名窯であるドイツの(④)が人気を博した。また、イギリスでは軟質の(⑤)が作られた。
お疲れ様でした。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
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