どうも、しけたむです。
この記事では
- 「バイオエタノール暖炉って最近よく聞くけど、これって本当に暖かいの?」
- 「暖炉なんて贅沢なものはお金もかかるし、火を使うから危険ですよね。」
とお考えの方に、
巷でなにかと話題のバイオエタノール暖炉『エコスマートファイヤー』とはどんなものなのかについてメリット、デメリットも全部まとめてプロの視点で解説していきます。
バイオエタノール暖炉とは?
▲煙突や電源が不要なバイオエタノール暖炉は部屋の中央に気軽に設置ができる。テーブル感覚で使える置き型暖炉『MARTINI50』
あなたは暖炉と聞くと、どのような暖炉を想像されますか?
おそらく「薪(まき)」を火にくべて暖をとる「薪暖炉(まきだんろ)」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
出典:WOODBOX
▲一般的な薪暖炉は煙や煤(すす)が室内に出ないよう手前に扉があり、上部に煙突が必要になる。周囲には薪のストックや燃え尽きた薪の灰を清掃する用具が必要。
対して、バイオエタノール暖炉とはその名の通り「バイオエタノール」と呼ばれる燃料を燃やして暖をとる暖炉なんです。
と、言われても
「そもそも、バイオエタノールって何?危ないことには変わりはないでしょう?」
と思われる方も多いと思いますので、まずは実際に炎が点いたバイオエタノール暖炉の使用動画をご覧ください。
▲前面は低めのガラス、背面は全面ガラスで完全に閉じられている置き型タイプの暖炉。リビングとダイニングを分けるパーテーションとしても使用できる。『VISION』
このように、バイオエタノール暖炉は電気を必要としない為電源が不要で、煙や煤、一酸化炭素などの有害物質が出ないので煙突も不要です。
バイオエタノール暖炉が燃えている仕組みは「アルコールランプと同じ」です。
アルコールランプはガラスの瓶にアルコール燃料を入れて、燃料を浸したコットン製の芯に火をつけて、フタをすると火が消えるという小学校の理科の実験で使用されるアレです。
出典:網のブログ
▲アルコール燃料が尽きれば火が消えるというのはバイオエタノール暖炉も同じ。
このアルコールランプの芯の無いものがバイオエタノール暖炉と思ってください。
だから煙突も電気も必要無いということなんですね。
また、何にも繋がっていないということは持ち運びも家具と同じように自由自在で、多くのバイオエタノール暖炉は耐水性があり、アウトドアでも使用可能です。
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▲寒い季節は室内で暖をとり、暖かい季節はアウトドアで焚き火のように炎に癒されるという楽しみ方が出来る。『MANHATTAN50』
煙で空気を汚すことが無ければ煤で本体を汚すことも無いので、メンテナンスはとても簡単。日常使いでホコリや指紋汚れなどが気になった際に、柔らかい布で拭き取るだけです。
長時間使用した際は、本体の燃料タンク(これを「バーナー」と呼びます)のステンレス部分に「焦げ」がつきますが、そのまま放置しても使用には特に問題はありません。
気になるようであれば、クレンザーなどの金属研磨剤を使用して焦げを落とすことができます。
▲バーナーに付いた焦げを「味わい」と呼ぶかどうかは人それぞれ。ちなみにバーナーは水洗い可能なので、中に異物が落ちても心配無用。
また、室内で使用する際は「火災報知器やスプリンクラーは作動しないか」と不安になるかもしれませんが、それらは「煙」と「急激な温度変化」を感知することによって作動しますので、床に置いて使用する、もしくは天井から暖炉の炎までの距離を1.5m以上離して置くことで作動することはありませんのでご安心を。
マンションなどの共同住宅での使用につきましては、マンション管理規約によって「裸火の使用」が禁止されている場合があります。その際はマンションの管理人、及び管理会社に事前に確認することをおすすめします。
バイオエタノールとはどんな燃料?
出典:e-nrg
液体の燃料と聞くと、
「爆発するんじゃ、、、」とか
「匂いがキツそう、、、」とか
ガソリンや灯油のようなイメージで思われがちですが、バイオエタノール燃料はお酒と似たようなもので、爆発しませんし、嫌な匂いもしません。
一般的に販売されている焼酎などの蒸留酒と精製方法が同じで、保管方法もこれらの一般的なお酒と同じですのでまずは怖がらず。
バイオエタノールの自然発火温度は300度以上になりますので、火を近づけない限りは引火することもありません。
バイオエタノール燃料はサトウキビやトウモロコシなどの植物原料から作られていて、石油などの化石燃料と違って地球上の二酸化炭素量を増やさないので、環境に優しいエコ燃料として注目されています。
出典:e-nrg
▲植物から作られた燃料は、燃焼すると水と二酸化炭素に分解され大気中に還ります。燃焼して分解された二酸化炭素を、植物が光合成により吸収するというサイクル。
このように植物燃料を燃やすことによって発生した二酸化炭素を植物が吸収して生育する、地球上の二酸化炭素の総量を増やさないサイクルを『カーボンニュートラル』と呼びます。
化石燃料からでもエタノールを精製することはできますが、この化石燃料からつくられたエタノールを燃料として使用した場合、地球上の二酸化炭素量を増やすことになるので、エコではありません。
バイオエタノール燃料の優れたメリットはそれだけではありません。
おそらく皆さんが喜ばれるのは、バイオエタノール暖炉に「加湿効果」があるということではないでしょうか。
バイオエタノール燃料が燃えたときに発生するのは水と二酸化炭素なので、水蒸気を放出しながらやさしく室内を暖めてくれます。
▲真冬の寒い時期に長時間使用すると、うっすらと窓に結露が現れます(しけたむ体験による)
バイオエタノール暖炉の暖房性能はバーナーの種類によって異なりますが、1台あたり15ー40畳前後を暖めることができます。
バーナーを複数台使用することにより、さらに広い面積を暖めることも可能です。
出典:e-nrg
▲薪暖炉やガス暖炉、ストーブなどには煙突が必要なので、発生した熱の半分は外部に排出している。バイオエタノール暖炉は発生した熱をすべて室内に放出できるので熱効率がよい。
ちなみに二酸化炭素が発生しますが、2時間に1回ほど窓を開けて換気すればOKです。
よっぽど古い住宅でなければ24時間換気システム(※)が付いているので、その場合は窓を開けての換気は必要ありません。
※24時間換気システムとは
2003年に定められた改正建築基準法で、新築住宅などにおける建築資材から放出されるホルムアルデヒドなどの化学物質によるシックハウス症候群などを防ぐため義務化された換気設備システムのこと。
原則として全ての住宅に24時間運転する換気設備が導入されていて、その換気スピードは、住宅内全体の空気が2時間に1回、入れ替わる程度。
▼シックハウス症候群はこちらの記事で解説しています▼
バイオエタノール燃料はどこで買うの?
出典:エコスマートファイヤー公式サイト
バイオエタノール燃料は、バイオエタノール燃料の購入サイト『e-nrg(エナジー)』から購入できます。
10ℓ単位で販売されていて、価格は¥5,500(税込)〜/10ℓからです。
(2022年10月現在)
まとめ買いをすることによってちょっとだけ単価が安くなるようになっています。
出典:e-nrg公式サイト
▲最大購入数量である80ℓで購入した場合、1箱10ℓあたりの単価は¥4,812(税込)になる。(2022年10月現在)
また1箱(10ℓ)ごとに送料もかかりますのでお忘れなく。
場所にもよりますが、1箱あたりの送料は ¥770〜990(税込)(※) となります。
(※沖縄及び離島は別途費用かかります!)
注文してからお届けまではおおよそ1週間ほどかかりますので、少なくなってきたら忘れずにご注文を。
EcoSmart Fire(エコスマートファイヤー)とは?
出典:BONUR
▲エコスマートファイヤーとイタリア家具メーカー『Cassina(カッシーナ)』の日本代理店である『Cassina ixc.(カッシーナ・イクスシー)』、デンマーク高級オーディオメーカー『Bang & Olfsen(バング&オルフセン)』がタイアップした「暖炉のあるリビング」のコーディネート。
EcoSmart Fire(エコスマートファイヤー)とは、2002年に世界ではじめて誕生したオーストラリアのバイオエタノール暖炉ブランドです。
安全性を第一に考えた高品質で耐久性の高い製品と数々のデザインアワードを受賞したデザイン性の高さから、現在ではバイオエタノール暖炉メーカーのパイオニアとして世界中で愛用されています。
▲暖かい暖炉の前で就寝中のゴールデンレトリバー。意外にも火を恐れない動物たち
エコスマートファイヤーが日本へやってきて販売が開始されたのは2008年、それから10年以上が経ちますが 火災や事故などの件数はなんと0件。
その安全性と質の高さは消防庁からも評価され、日本で唯一国からの認可を得たバイオエタノール暖炉として今日に至るまで屈指の安全実績を維持しています。
日本での導入実績としては『星野リゾート』や『ハイアットホテル』、『インターコンチネンタルホテル』、『フォーシーズンズホテル』や『アマン』などの名だたる一流ホテルはもちろん、さまざまな高級マンションやレストラン、結婚式場やレジャー施設などがあり、北海道から沖縄まで、あらゆる場所で使用されています。
▲『インターコンチネンタル横浜Pier8』 使用バーナー:XL900
▲『ふふ河口湖』 使用バーナー:AB3
▲『大磯プリンスホテル』 使用バーナー:XL900
エコスマートファイヤーのランニングコストは?
エコスマートファイヤーの気になるランニングコストについては、使用するバーナーの種類や使用環境にもよりますが、1時間で¥160(税込)前後〜です。(2022年10月現在)
例えば就寝するまでの3時間、1ヶ月毎日欠かさず使用した場合のランニングコストは約¥14,400(税込)前後〜となります。
また最も大きな炎を出すバーナーのランニングコストは、1時間で¥530(税込)前後となるものもあります。
バイオエタノール暖炉の機種による「ランニングコストの目安」は、こちらのページから確認ができます
エコスマートファイヤーの種類と機種
▲両側と背面がガラスに囲まれたフリースタンディングタイプの暖炉。下部にはデコレーションとして本物の薪を飾ることが出来る『IGLOO』
エコスマートファイヤーの種類を大別すると、建築物に埋め込んで使用する『ビルトインタイプ(埋め込み型)』と自由自在に動かせる家具のように置いて使用する『フリースタンディングタイプ(置き型)』に分けられます。
- ビルトインタイプ(埋め込み型)
- フリースタンディングタイプ(置き型)
ビルトインタイプ(埋め込み型)
▲東京都港区にある人気パティスリー『SALON DE LOUANGE』の埋め込み暖炉には、すぐ隣にワインセラーが設置されている。バーナーから一定の距離を離し断熱を行えば自由な設計が可能に。
ビルトインタイプはバイオエタノール暖炉を建築と一体化させたタイプで、さまざまなかたちや大きさのあるバーナーを埋め込むだけで、その場所を素敵なファイヤープレイス(暖炉)とすることができます。
▲横長タイプのバーナーは奥行きが195mmと浅いため、壁面への埋め込みに使用される。横幅は340、500、700、900、1200mmと5つのバリエーションがある『XL900』
ビルトインタイプの存在感は抜群で、上質で高級感のある空間を演出してくれるのにこれ以上のインテリアアイテムはありません。
しかしビルトインタイプでの暖炉設置を行う場合は、薪暖炉と同様に周囲は炎により高温になるため耐熱性のある仕上げ材を選択する必要があります。
▲ビルトインタイプの設置工事を行う場合は、設置するバーナーに対して前後左右と上部に「離隔距離」と呼ばれる「バーナーから最低限離さなければならない距離」を設ける必要があり、離隔距離が記載されたマニュアルはこちらからダウンロードすることができる。
▲バーナーは適切な離隔距離を保ち、周囲を耐熱性のある仕上げ材で施工する。写真は背面と上部にはモルタルコンクリート、バーナー周囲には石のタイルが用いられている。
バーナーの周囲には耐熱性のある仕上げ材が必須なのですが、バーナーを設置している面、上部、背面、左右両側の壁に囲まれたスペースは「火室(かしつ)」と呼ばれ、特に炎からの熱の影響を強く受けるため、
「タイル、石、モルタルコンクリート、レンガ、スチール、ステンレス、耐熱ガラス」
・・・という7種類の耐熱性仕上げ材しか使用できません。
▲火室は最も炎に近く熱の影響を受けやすいため、使用できる仕上材は「タイル、石、モルタルコンクリート、レンガ、スチール、ステンレス、耐熱ガラス」の7種に限られる。
また、ビルトインタイプは建築家やデザイナーのアイディア次第で自由なデザインを楽しむことができるのが醍醐味の一つ。
モダンでシンプルなデザインにすることはもちろん、このようなクラシックスタイルの暖炉に仕上げることもできます。
▲このような暖炉周りの装飾品を『マントルピース』といい、家の顔である暖炉の装飾の美しさを中世ヨーロッパの時代から競われていた。
出典:Brown Stoner
▲19世期初期のマントルピースを使用した薪暖炉。
現代でのマントルピースの素材は石やケイカル板(※)などが使用されています。
(※ケイカル板は建物の内装、外装に使用される耐熱性のある建築材料で、正式には「ケイ酸カルシウム板」という。消石灰やパルプなどを主原料とした不燃材料で、耐水性があるのも大きな特徴。)
また暖炉の上部に暖炉を設置する場合は立ち上る炎からの熱影響から避ける為、テレビディスプレイ面が壁面よりも下がるように凹ます必要があります。
出典:エコスマート ファイヤー公式HP
▲TVのサイズに合わせて壁面を凹ます場合は、将来の買い替えの際にディスプレイサイズ変更ができないので注意が必要。
▲壁面を凹ませたく無い場合は耐熱ガラスなどでTVディスプレイ面を保護する必要がある。こちらは『グラスルーチェ』と呼ばれる耐熱性のあるマジックミラーを使用している。
最近では施工が容易なバーナーと周囲の火室部分がパッケージとなって販売されている『FLEX(フレックス)』という商品があり、各種スタイルやサイズを選んで壁に埋め込むだけというお手軽な施工性が人気を呼んでいます。
▲炎の手前にガラスが付属されていて安心感がある。本体はビスで壁に固定できるようになっている。『FLEX32SS』
▲ボックスの長さは455mm〜4015mmという特大サイズまであり幅広いサイズバリエーションも魅力。側面や背面がガラスになっている種類もある『FLEX 86LC』
この『FLEX』の施工方法は、下の図のようなイメージです。
出典:MML
▲FLEX本体を固定するフレーム(木製でも可)を作り、本体を固定したらケイカル板や石膏ボードで下地を張り、最後に耐熱性のある仕上げ材を施工する。煙突や電源が無いのでとてもシンプル。
▲FLEXを埋め込んだ実例。写真のようにサイドに薪をストックできるスペースを持つ種類もある『FLEX 104LC』
▼エコスマートファイヤー埋め込み編はこちらから▼
フリースタンディングタイプ(置き型)
▲テーブルタイプの暖炉はアウトドアでも活躍『MANHATTAN50』
フリースタンディングタイプは建築物には固定されず、家具のように置いて使用するタイプです。
置くだけなので設置工事などは一切不要。
フリースタンディングタイプはさらに3つのシリーズに分けられ、テーブルとして使える『FIRE TABLES(ファイヤーテーブルス)』、持ち運び可能な『FIRE PITS(ファイヤーピッツ)』、やや大型で基本置きっぱなしで使う『DESIGNER FIREPLACES(デザイナーファイヤープレイシーズ)』があります。
- FIRE TABLES(ファイヤーテーブルス)
- FIRE PITS(ファイヤーピッツ)
- DESIGNER FIREPLACES(デザイナーファイヤープレイシーズ)
FIRE TABLES
▲FIRE TABLESシリーズはサイズもカラーもさまざま『BASE30』
フリースタンディングの中で最もラインナップの多いFIRE TABLESシリーズ。
テーブル部分の素材はセメント、チーク無垢材から選ぶことが出来て、セメント素材にはGraphite(ブラック)、Natural(グレー)、Bone(ホワイト)の3色が用意されています。
高い強度と防水性能を持ち合わせながら、サイズによっては2名ほどで持ち運びが可能な為、設置する場所を選びません。
▲横幅2272×奥行1098mmという最も大きなサイズのテーブルタイプ。写真はチーク無垢材を使用している。このモデルは重いので、移動は4名以上必要。『GIN LOW』
耐水性がありますがバーナー部分はステンレス製ですので、海の近くで塩害の影響を受ける場合はサビの対策を行う必要があります。
その場合は専用の防水カバーが別売として用意されているので、外部で使用する、塩害の影響を受ける、汚れなどを気にされる方は防水カバーをかけておくのが無難です。
▲テーブルを囲んで食事をすると話も弾みそう。『ARK40』
FIRE PITS
出典:ARCHI EXPO
▲両手で持って移動できるサイズのポータブルタイプ『CYL』(左)、『GLOW』(右)
持ち運びがしやすいやや小型のFIRE PITSシリーズは、寒い冬はリビングに置いて補助暖房に、暖かい季節には外に置いて炎を眺めて癒されるというように、1年中大活躍する暖炉です。
▲キャンプファイアーのように丸太を立て掛けたようなポータブル暖炉。バルセロナを拠点に活動しているデザイナー角田寛氏のデザイン『STIX』
出典:建材ナビ
▲まるで火鉢のように360度から炎を楽しむことが出来るポータブルタイプ。本体内部は空洞になっていて見た目よりも重くない『MIX600』
DESIGNER FIREPLACES
出典:エコスマートファイヤー公式HP
▲背面が完全に閉じているので壁につけておくことが出来る。暖炉の天板は熱くならないように断熱されているため、写真立てなどの雑貨でディスプレイもできる『KAN500LCB』
DESIGNER FIREPLACESシリーズはやや大型のため、室内の壁際などに置いて使用するタイプです。
背面が閉じられているタイプは壁際にぴったりと付けて置くことができるので、まるでビルトインタイプのような雰囲気で室内を演出することができます。
出典:インテリアライフ
▲多くのDESIGNER FIREPLACESのボディは木製のため、雨にあたる場所の使用は不可。カラーは7色からセレクトできて、特注色にも対応してくれる『CUBE』
出典:ワイズカーサビジネス
▲背面がガラスになっているモデルは、炎越しに背面の風景を楽しめたり、リビングとダイニングをセパレートして両方の空間から炎を眺めることもできる『VISION』
DESIGNER FIREPLACESシリーズで最もコンパクトなモデルが『GHOST(ゴースト)』です。
こちらのモデルは手前が取り外し可能な低めのガラス、両側と背面は背の高いガラスと4面がぐるりとガラスに囲まれたモデルで、まるで炎が浮いているかのように見える軽やかでスタイリッシュなデザインが特徴です。
出典:エコスマート ファイヤー公式HP
▲暖炉の下にはデコレーションとして本物の薪を飾って楽しめる。カラーはステンレス色の他にブラック色から選べる『GHOST』
出典:PR TIMES
▲GHOSTはステンレスとガラスのみで構成されているのでアウトドア使用もOK
バイオエタノール暖炉の使い方
バイオエタノール暖炉の使い方はとってもシンプルで、アルコールランプのように火を近づけて着火、蓋を閉めて消火です。
画像を見ながら着火と消火の方法を確認してゆきましょう。
バイオエタノール燃料の補充
①燃料とノズルとアダプターを用意する
バイオエタノール燃料『e-nrg』の段ボール箱を開けて、5ℓ入りのプラスチックボトルを1つ取り出します。(画像左)
段ボール箱を開封する際は「アダプター在中」という黒いスタンプが押された箱から開封し、緑色のリング状の『アダプター』を取り出してください。(画像右上)
燃料の注ぎ込み口である『ノズル』は、バイオエタノール暖炉本体に同梱されています。(画像右下)
②燃料ボトルを開封し、アダプターを取り付ける
燃料ボトルを開封し、まずは『アダプター』を取り付けます。
アダプターには燃料漏れ防止用の黒い「ゴムパッキン」が付いているので、外れていないか確認してください。
③ノズルを取り付ける
ノズルにも黒い「ゴムパッキン」がついているかを確認してから取り付けてください。
ノズルは「キャップが付いている方が先端」となりますので、必ず先端が前を向くように取り付けましょう。
④補充前の確認
さて、取り付けができました。
ノズルとアダプターの取り付けが緩い、パッキンが外れている(又はズレている)という理由によってボトルを傾けたときに燃料がポタポタと垂れる場合があります。
その場合は①から③の操作を繰り返してみてください。
⑤キャップを外し、ボトルを傾ける
ポタポタと燃料が垂れていませんか?
その様な時は雑巾などをあてがってボトルを傾けると安心です。
円形タイプのバーナー中央にはノズルの先端を受ける凹み(※)があるのでそこに先端を乗せます。
(※正方形のバーナーと長方形のバーナーにはノズルの先端を受ける凹みはありません)
⑥ボタンを押して、燃料注入
画像のプッシュボタンを押して燃料を注ぎこみます。
ちなみに周りをガラスで囲まれたバイオエタノール暖炉は、解説のようにボトルを傾けられません。
その場合はバイオエタノール暖炉本体に付属されている「ホース」をノズルの先端に取り付けて使用してください。
⑦燃料を入れすぎていないか確認
全てのバーナー内部には燃料の残量を示す「目盛り」が刻まれています。
メモリの表記は「Litres (リットル)」と「Gallons (ガロン)」とありますが、共に「Max」を超えていないかを確認します。
これで燃料補充は完了です。
着火と消火
①周囲に可燃物が無いか確認する
中央に置かれたバーナーのフチから60cm以内に本や熱に弱いものなどの可燃物が置かれていないかを確認してください
▲カーテンなど風で動いて近づくものからは、バーナーのフチから1.5m離す
②バーナーの蓋を外す
暖炉本体に付属されているステンレス製の「ライティングロッド」を使用して、蓋を外してください。
▲ライティングロッドの先端はフックのようになっていて、蓋の頂部に引っ掛けて持ち上げます
③ライティングロッドを火種とする
バーナーの中に入っているバイオエタノール燃料にライティングロッドの先端をよく浸して火種とします。
▲ライティングロッドの火種は数秒で燃え尽きるので、着火は迅速に。
④ライティングロッドをバーナーに近づけて着火
点火直後はやや小さなブルーの炎ですが、温度上昇と共にオレンジ色の大きな炎に変化します。
▲使用時の気温にもよるが、着火から5−10分ほどでブルーの炎がオレンジに変わる。
⑤ライティングロッドで蓋を閉めて消火
消火の際は、付属の蓋を閉めるだけ。簡単ですね!
▲消火は蓋を閉めれば一瞬で完了。消火後30分ほどは熱くなっているので触れないよう注意!
バーナーの形状によって蓋の開閉の仕方は異なりますが、基本的な操作方法は全て同じです。
蓋をスライドして開閉する正方形のバーナーや
▼正方形のバーナー『BK5』の操作方法はこちら▼
手前にぱたんと開けるフラップ式の長方形のバーナーもあります。
▼長方形のバーナー『XLシリーズ』の操作方法はこちら▼
バイオエタノール暖炉のデメリット
あなたも記事を読んでいてこのように思いませんでしたか?
バイオエタノール暖炉のデメリットについて調べると、以下のようなことが挙げられそうです。
リモコンやタイマーがない
電気を使用せず、ダイヤルなどメカニカルな部分を一切排除した作りになっているため
リモコン操作やタイマー機能などがありません。
ですので火をつけるときは暖炉に近づいて手動で蓋を開閉する必要がありますし、
バイオエタノール燃料が無くなれば手動で補給する手間もあります。
しかしアナログ操作であることは、電化製品とは異なり
『故障するリスクが無い』とも言えます。
メカニカルな部分を排除しているので
いざ使おうと思った時に使えないというトラブルはありません。
また、薪暖炉のように薪をくべたりする作業を『趣ある楽しみのひとつ』と考えれば
バイオエタノール燃料を補充したり、手動で着火・消火を行う作業も楽しいと思えるかもしれませんね。
バイオエタノール燃料のストックが必要
出典:Re-create
▲燃料ボトル1本の容量は5ℓで1箱に計10ℓ入っている。段ボール箱は縦に積んでストック可。
バイオエタノール暖炉は使用する際に、使う分の燃料を忘れずにストックしておく必要があります。
また燃料をストックしておくスペースも必要になります。
一箱10ℓの段ボール箱の大きさは約30cm角くらいで、消防法が定める自宅での最大保管量は80ℓ未満。段ボール箱は火気の使用しない部屋で縦積み保管が可能です。
バイオエタノール暖炉のバーナーによっては1箱10ℓで30時間ほど使用できるものから、8−9時間ほどで使い切ってしまうものまで様々です。
所有しているバーナーの燃費と毎日の使用時間に合わせて、必要な数量をストックしておきましょう。
パチパチという木が爆(は)ぜる音がしない
当たり前ですが、薪暖炉や焚き火のように木を燃やしたときに出る『爆ぜる音』がしません。
『パチパチ』とか、『パチっ』とする音は聞いててリラックス出来ますし、趣もありますよね。
残念ながらバイオエタノール暖炉にはこのような薪が爆ぜる音は発生しませんが、本物の炎を見ることによるリラックス効果が実証されています。
本物の炎によるリラックス効果と脳への影響
近年では炎を見ることによるリラックス効果を利用して、子供たちの脳の成長を促す
『火育(ひいく)』という火とのふれあいが注目されているのをご存知でしょうか。
火は扱い方を間違えれば危険なものでありますが、うまくコントロールすればさまざまな恵みを与えてくれるものです。
暖を取る為の「暖房」であり、調理をするための「熱」であり、安全を守る為の「灯り」であったり、時にはお祭りの中で使用される「神聖なもの」であったり、人々の暮らしと古くから結びついてきました。
出展:東京ガス/火をたのしむ
しかし、現代の家庭ではオール電化が普及し、暮らしの中で「火」に触れる機会が減っています。
火を使う文化が現代社会の中で急速に失われ、本物の火を見たことがない、扱ったことがない子供たちが増えているというのです。
火育とは『火を見て、火を扱い、火を知る』ことにより、子供たちに火の危険性を理解させ、火の持つ魅力を通して豊かな心を育み、生きる力を高めようという教育です。
このような本物の火を見ることによる脳への影響については、東京大学の池谷裕二教授によって以下のような実験が行われています。
▼参考論文【炎を見ることにより脳波に及ぼす影響】 東京大学 池谷裕二教授▼
炎を見るという行為にはたくさんの定説がありその行為が科学的知見を経て、本当に健康につながるのかという点を改めて考察してみました。
実際にエコスマートファイヤーの本物の炎と偽物の炎[LED]を被験者の方々に見ていただき、脳波にどのような影響を及ぼすのか実験した結果があります。
計測結果は別図の通り、本物のエコスマートファイヤーの炎を見ると偽物の炎[LED]より徐波(じょは)(※)が顕著に表れます。
エコスマートファイヤーの炎は専用燃料e-NRG(エナジー)をご使用いただく事により綺麗なオレンジ色の炎を演出します。
また炎の全体像が見えるデザインの特徴もあり、徐波の発生が得られたと推測出来ます。
この徐波の発生により「本物の炎を見る」という行為がリラックス効果を促し、副交感神経が優位に働きます。
副交感神経が優位に働くと自律神経のバランスが整えられるため、ストレスからの解放、免疫力のアップにつながり健康の促進につながります。
(※)徐波(じょは)【SLOW WAVE】:脳波のひとつ。特徴として、周波数の低い成分(徐波成分)が中心となる睡眠を徐波睡眠と呼ぶように、起床時に出る脳波としては高いリラックス効果が出ている脳波を指します。
▼炎を見ることによる健康へのメカニズム▼
ステイホームによりおうちで過ごす時間の多い今、こんな時だからこそリラックスをして、炎を眺めながら癒しのスローライフを楽しんでみませんか?
まとめ
いかがでしたでしょうか。
バイオエタノール暖炉は、2002年にオーストラリアのFire company社が開発した『Ecosmart fire(エコスマートファイヤー)』が世界初として誕生してからもうすぐ20年近くが経とうとしています。
日本では、今やホテルやレジャー施設、レストランや医院など、多くの場所で目に触れるようになりました。
暖炉と聞くと導入には難しそうなイメージがありますが、知ってしまえば案外簡単なものだと、お分かり頂けたかと思います。
しかし本物の火である以上、薪暖炉と同様に安全に正しく使用することが大切です。
バイオエタノールを正しく知った機会に、ぜひご検討されてみてはいかがでしょうか。
お疲れ様でした。
長々とお読みいただき、ありがとうございました。
不明点などあれば、メールでご質問をお待ちしております。
▼次回、エコスマートファイヤー埋め込み編はこちらから!▼