どうも、しけたむです!
この記事では
- 「キッチンのレイアウトの基本について学習したい。」
- 「アイランド?ペニンシュラ?キッチンのレイアウトってどんな種類があるの?」
とお悩みの皆様に向けて、
キッチンレイアウトや寸法について画像で解説します。
キッチンレイアウトの基本
キッチンのレイアウトを考えることは、調理スペース内の家事動線をスムーズにすることで作業効率を上げたり、ダイニングやリビングとのコミュニケーションを取りやすくする目的があります。
作業効率が良く使いやすいキッチンにする為には「シンク」、「コンロ」、「冷蔵庫」の配置を考えて、キッチンでの動きやすさに関係する「ワークトライアングル」を考えることがポイントになります。
ワークトライアングル
ワークトライアングルとは、シンク・コンロ・冷蔵庫の3カ所を線で結んだときにできる三角形の動線のことです。
この三角形の動線距離が長いと歩く距離が長くなり調理作業におけるムダな動きが多くなりますが、逆に短くなりすぎると狭くて動きにくく、調理作業をするスペースや収納が不足することもあります。
ワークトライアングルの辺の長さにはそれぞれに使いやすい長さがあり、
シンク⇄コンロ:「1,200~1,800mm」
コンロ⇄冷蔵庫:「1,200~2,700mm」
シンク⇄冷蔵庫「1,200~2,100mm」
程度の距離が理想的とされています。
この三辺の合計寸法が「3,600〜6,600mm」となるのが最も理想的なキッチン空間であり、これより小さいと狭くて作業がしにくく、広いと移動距離が長くなり疲れやすいなどの問題があります。
出典:hitotema
▲ワークトライアングルのイメージ図。三辺の合計寸法が「3,600〜6,600mm」となるのが最も作業がしやすいと言われている。
キッチンのレイアウト
キッチンのレイアウトには、コンロやシンク、作業台の位置によって「I型(1列型)」、「II型(2列型)」、「L型」、「U型」に分かれます。
またそれぞれのレイアウトで対面キッチンとなる場合は、キッチンと壁との接し方により「アイランドキッチン」、「ペニンシュラキッチン」と呼ばれるスタイルになります。
I 型(1列型)
キッチンのレイアウトで最も古く、多く使われているのが「I(アイ)型キッチン」で、「1列型キッチン」とも呼ばれます。
シンクとコンロ、作業台がすべて一列になったレイアウトで、狭い空間でも配置ができて、複数人で会話をしながら並んで作業できるのがメリットですが、1列の幅が3,600mm以上横に長くなりすぎると動線が悪くなり作業がしにくくなるのがデメリットです。
Ⅱ型(2列型)
出典:LAアーキテクツ
II型キッチンとは「2列型キッチン」とも呼ばれるキッチンレイアウトで、シンクとコンロを分けて平行に配置したものです。
広い作業スペースを確保しやすくて、複数人での作業分担もしやすいですが、シンクとコンロが前後に離れているため体の向きを頻繁に前後に変えることで身体に負担をかけることがあります。
そのためワークトライアングルを意識したキッチン計画をする必要があり、2列の間隔を作業者が1人の場合は「800〜900mm」、複数人の場合は「900〜1,200mm」程度とると作業がしやすいでしょう。
L(エル)型
出典:はぴすむ
L型キッチンは、シンクとコンロ、作業場をL字型に配列したレイアウトです。
シンクからコンロまでの動線が短いため作業効率が高く、動線が自然と三角形になるためワークトライアングルを実現しやすいというメリットがあります。
また動線が短くなることから車椅子利用者にも動きやすいレイアウトです。
しかしキッチンの角の部分がデッドスペースとなりやすいというデメリットがあります。
U(ユー)型
U型キッチンはシンクとコンロ、作業場をU字型に配置したレイアウトです。
キッチン空間は独立したスペースとなり面積も比較的広く取れるので、作業スペースも収納スペースも広く、効率的に料理をすることができます。
しかし通路が袋小路となっているため、通路幅がないと複数人で作業をする場合は効率が悪くなることがあります。
対面キッチンのレイアウト
アイランド型
アイランドキッチンとは「島」を意味する「アイランド」という言葉の通り、ぽっかりと海に浮かんだ小島のようにキッチンを壁につけず、キッチンの中央に独立したスタイルのレイアウトです。
ぐるりとどちらからも回ってキッチンに出入りできるなど動線がスムーズで、多人数で作業を楽しむことができますが、キッチンレイアウトの中でもかなり広いスペースが必要になります。
ペニンシュラ型
出典:CAINZ REFORM
ペニンシュラキッチンは「半島」を意味する「ペニンシュラ」という言葉の通り、突き出した半島のようにキッチンの側面を壁につけたレイアウトです。
アイランドキッチンの特徴を踏襲していますが、アイランドキッチンと比べて面積の小さい住宅でも採用しやすいスタイルで、片側がクローズされているので作業にも集中しやすいというメリットがあります。
またそれがデメリットでもあり、複数人で作業をする場合は通路を広く確保しないと動線が悪くなります。
キッチンと水回り設備の関係
サービスヤード
▲勝手口を出たところにゴミ箱を設けた簡単なサービスヤード
キッチンは給水管や排水管などの給排水設備が集まることから、ユーティリティスペース(※1)やサニタリーなどの「水回り」との関連で計画されるのが一般的です。
※1:ユーティリティスペースとは
キッチンや洗面所などに隣接して設けられた多目的の空間のこと。
食料品貯蔵庫であるパントリーや、洗濯機やアイロン、ミシンなどが置かれ、家事を合理的に行えるようなものが置かれる。
また、家事目的で使用する以外にも主婦のための趣味の部屋として使用したりなど、工夫次第で様々な目的で使用できるのが特徴。
ちなみに「ユーティリティ」とは、建物内における給排水や暖房、電気などの設備のこと。
※2:サニタリーとは
トイレ・洗面室・浴室などのキッチンを除く水まわりのスペースのこと。
洗濯やそれらの関連作業が行われるユーティリティスペースとキッチン空間とを連結させる場合、勝手口(かってぐち)を設けて屋外にサービスヤードを用意して、作業の効率化を図られることがあります。
出典:高橋開発
▲キッチン近くの勝手口を出てすぐ外に出れるのは戸建て住宅の良いところ。2階キッチン、もしくはマンションなどではベランダに出れるようになっていることも。
サービスヤードは日常の家事を行ったり、ゴミをストックしておいたり、お庭の掃除用具を置いていたりする場所です。
自転車置き場や荷物を置けるようにしたサービスヤードは「ストックヤード」と呼ばれることもあります。
▲サービスヤードを屋根で覆えば雨天でも荷物置きやちょっとした作業が行える。
キッチンの各部寸法
出典:はなこと
キッチンでの調理作業を行うワークトップや、ワークトップ下の収納であるフロアキャビネット、吊り戸棚収納であるウォールキャビネットには、JIS(日本産業規格)によってISO(国際標準化機構)に準拠した規格を定めています。
▼JIS、ISOはこちらで紹介しています▼
ワークトップ
出典:dkt
ワークトップとは、野菜を切ったり、調味料を合わせたり、料理を盛り付けたりする時に使う作業台のことで、「キッチン天板(てんばん)」とか「カウンタートップ」とも呼ばれます。
このワークトップの高さは、
- JISにより「800、850、900、950mm」の4種類
- ISOによって「850、900mm」の2種類
が定められています。
理想的なワークトップの高さは好みもありますが、一般的には「身長÷2+5cm」が使いやすい高さであると言われています。
出典:SUUMO
▲使いやすいワークトップの高さは使用者の身長によって異なる。「身長÷2+5cm」が理想的な高さであると言われているので覚えておこう。
ウォールキャビネット
出典:DAIKEN
ウォールキャビネットとは、そのまま「壁の収納」という意味で、キッチンでは一般的にワークトップの上に付けられた「吊り戸棚収納」のことを指します。
ウォールキャビネットの取り付け高さは、JISで「床から下端までの高さが1,300mm以上」と定められています。
しかし、実用的にはこの高さだとやや低くリビングやダイニングとコミュニケーションがとりにくいので、床から下端の高さを1,450mm程度とするのが一般的です。
出典:Kitchen Navi
▲キッチンメーカーではウォールキャビネットの高さを段階的に選べるようになっている。
ウォールキャビネットはデッドスペースを収納として活用できるので重宝しますが、一番上の棚は高すぎて脚立を持ってこないと出し入れ出来ません。
そのような場合は、以下のような昇降機能付きのウォールキャビネットがおすすめです。
出典:モノタロウ
▲手動で手前に降ろせるタイプと、電動でキャビネットの真下に降りてくるタイプがある。
またウォールキャビネットの奥行きは、JISでは「400mm以下」としています。
ナンタルカのまとめ
■キッチンのレイアウト
(1)キッチンのレイアウトで基本となるのはシンク、コンロ、冷蔵庫の位置を結んだ三角形である(①)で、三辺の合計が(②)〜(③)mmとなるのが最も作業がしやすい広さであるといわれる。
(2)キッチンのレイアウトにはいくつかの種類があり、スペースが狭い場合に適する最も多くに採用されている(①)、車椅子にも利用しやすく収納も多く取れる(②)などがある。また対面キッチンには、キッチンキャビネットが独立した(③)キッチンや、片側が壁に接している(④)キッチンというスタイルがある。
■キッチンと水回り設備の関係
キッチンは、キッチンや洗面所などに隣接して設けられた家事などを行う多目的スペースである(①)や水回りなどの(②)との関連で計画されるのが一般的である。その場合、キッチン付近の勝手口から出た外に(③)を設け、ゴミの一時置きや物置き、洗濯スペースとして利用することができる。
■キッチンの各部寸法
キッチン設備の寸法について、(①)ではISOに準拠した規格を定めている。ワークトップの高さは800、850、900、950mmの4種を定めているが、ISOでは(②)mmと(③)mmの2種が定められている。
お疲れ様でした。
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次回もお楽しみに!
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