こんにちは、しけたむです!
この記事では
- 「ダイニングや寝室で使われる家具について知りたい。」
- 「ギャンギングチェア、フォールディングチェアについて聞かれても答えられるようにしたい。」
という皆様に向けて、家具の分類(ダイニングと寝室、その他編)についてまとめて画像で解説します。
ダイニングで使われる家具
ダイニングチェア
出典:GPLUS
▲背もたれがカーブを描いて肘掛けにもなる『Yチェア(ウィッシュボーンチェア)』は、デンマークのデザイナー「ハンス・J・ウェグナー 」の傑作
ダイニングチェアとは、ダイニング空間で使用される椅子の総称です。
ダイニングチェアのサイズにはさまざまな寸法のものがありますが、一般的にはダイニングテーブルと対となって使用されるため、それぞれが使いやすい高さとなるように選ぶ必要があります。
▼テーブルとチェアの差尺や寸法関係はこちらから▼
一般的な高さは「430〜450mm」程度で、靴を履いてダイニングチェアを使用する国では「480mm以上」という高さのダイニングチェアもあるので、輸入家具のダイニングチェアを使用する場合は、高すぎて使いにくくないかを必ず確認しましょう。
スツール
出典:FlYMEe
▲スツールは軽くてコンパクトな上に、重ね置きが出来るものもある。『STOOL 60』(Artek)
スツールとは、一般的に3本、または4本の脚で支えられている背もたれや肘掛けの無い1人掛けの椅子のことを指します。
近年では簡易的な背もたれが付いているスツールもあります。
しかし背もたれといっても簡易的なものが多く、また肘掛けも無いため長時間の着席には向かず、離着席の多い場所に用いられることが多いです。
出典:SIEVE
▲背もたれのついたスツール。足が床に着かないほど高さのあるスツールは「ハイスツール」、低くて足が床に着くスツールは「ロースツール」と呼び、区別される。
またチェアと比べるとスツールはサイズがコンパクトで、なおかつスタッキング(重ね置き)ができるタイプも多く、置く場所や片付ける場所に困りません。
出典:e-Begin
▲スタッキングスツールは、重ねたままでもサマになる。左から剣持勇の『STOOL NO.202』、柳宗理の『エレファントスツール』、アルヴァ・アアルトの『STOOL 60』
「シンプルな腰掛け=スツール」と思われてしまいそうですが、高さ調節できる昇降機能や回転機能、ガススプリングにより着座した際に柔らかな座り心地をもたらす機能などを持った高機能スツールもあります。
出典:dinos
▲座面が足置きと共に回転し、昇降機能もある『LEM STOOL(レムスツール)』は、日本人デザイナーの安積伸&朋子さんらによるデザイン。
フォールディングチェア
出典:STYLE PARK
▲デンマークのデザイナー「モーエンス・コッホ」が1932年にデザインした『Folding Chair MK16』
フォールディングチェアとは、収納時などに折りたたむことのできる椅子の総称で、いわゆる「折りたたみチェア」のことです。
パイプ椅子はもちろん、海などで使用されるビーチチェアやキャンプで大活躍するアウトドアチェアなども、全てフォールディングチェアの1種です。
出典:npr
▲折りたたみ式の椅子は古代エジプトでも使用が確認されていて、世界中で古くから用いられてきた。
フォールディングチェアは持ち運ぶことを想定しているので、片手で持ち運べる軽さが特徴のひとつ。折りたたんで小さくすれば収納場所にも困りません。
ダイニングテーブル
出典:MasterWal
▲ダイニングテーブルのデザインは千差万別。足の形状と取り付け位置は、ダイニングチェアを置いたときに邪魔にならないものを選びましょう。
ダイニングテーブルとは、ダイニング空間で食事をするために用いられるテーブルで、角形や円形などの天板(てんばん)を、さまざまな形状の脚で支えて構成されています。
現存する最古のテーブルは古代エジプトの貴族が使用していた木製のテーブルで、なんと紀元前1,700〜1,500年頃のものです。
それは1人用の4脚式小テーブルで、長方形の甲板を 4 脚の角柱で支え、脚の補強に貫(ぬき)が用いられていました。
出典:THE MET
▲1907−1914年に行われたエジプトのテーベでの発掘調査で発見された最古の木製テーブル。天板と脚の材質にはアカシアの木が用いられ、当時は象嵌で装飾されていた痕跡があるという。(高さ45 cm、幅63cm、奥行き31cm)
テーブルは次第に大型化して、中世ごろにはすでに現代と同じようなダイニングテーブルが一般的に用いられるようになりました。
またダイニングテーブルの高さは日本製のものは70cm前後のものが多いのですが、海外製のものは体格の違いや靴を履いたまま食事をとるという文化の違いから、高いもので75〜80cm前後もあり、その高さに大きな幅があります。
リビングダイニングテーブル
リビングダイニングテーブルとは、食事もできてソファでくつろぐこともできる「リビングダイニングスタイル」で用いられるダイニングテーブルのことです。
「リビングダイニングスタイル」とは、ダイニングテーブルにダイニングチェアでは無く、ソファが合わせられているインテリアスタイルで、ファミレスのボックス席のような休息性の高いダイニング空間となるのが特徴です。
出典:イラスト・漫画書き方ナビ
▲リビングダイニングスタイルは、まさにファミレスのボックス席のようなイメージ。
リビングダイニングテーブルの高さはソファの高さに合わせて低めに作られていて、だいたい630〜670mm前後のものが中心です。
出典:BRIDGE WORKS
▲やや低めに作られているリビングダイニングテーブル。ベンチと合わせてもグッドです。
エクステンションテーブル
出典:Beliani
▲小さな天板が中央に収納されている収納式のエクステンションテーブル。取り出して繋げることにより大きな天板として使える。
エクステンションテーブルとは、「広げる、伸ばす」という意味の「extension(エクステンション)」という言葉の通り、天板の長さを拡張、伸長(しんちょう)することが可能なテーブルのことです。
エクステンションテーブルには、テーブル内部に収納してある伸長用の天板を取り出して天板につなげる収納式のタイプや、折りたたんである天板を持ち上げて伸長するタイプがあります。
出典:楽天市場
▲使わない時だけ天板を折りたたんでおけば、その分リビングなど他の空間を広く使うことができる。
天板の両端が折りたたみ式となっているものは、蝶の羽がはばたく様子に似ていることから「バタフライテーブル」と呼ばれています。
出典:08book
▲両端を折りたたむことができるバタフライテーブルは、1人から多人数まで幅広く対応することができる。『Butterfly table』(アルネ・ヤコブセン)
▼ダイニング空間の寸法はこちらで解説!▼
フォールディングテーブル
出典:COSCO
フォールディングテーブルとは「折りたたみテーブル」のことで、天板に対して折りたたむ脚のあるテーブルです。
来客などによって多くの人数でダイニングテーブルを使用したい際、折りたたんで保管していたフォールディングテーブルを出して対応することができます。
またアウトドアで使用するフォールディングテーブルは携帯性を高めるために軽量素材で作られているものもあります。
▲アウトドア用のフォールディングテーブルは、小さくすることにより1人でも運びやすくしている。
寝室で使われる家具
ベッド
ベッドとは、睡眠や休息のために横になるための寝具の一種です。
「ベッド」なのか「ベット」なのかで迷いそうですが、英語では「bed(ベッド)」、ドイツ語では「bett(ベット)」という発音になるため、どちらの表記でも間違いでは無く、また日本語では「寝台(しんだい)」と訳されます。
現代のようなベッドの原形は古代エジプトが発祥と言われていて、紀元前14世紀頃に古代エジプトのファラオ(王)であるツタンカーメンが使用していた植物を網目状にした床板に獣の脚の装飾を施した金色のベッドが見つかっています。
出典:ARTNET NEWS
▲ツタンカーメン王の墓から見つかった金色のベッド。
現代では用途により様々な種類のベッドがあり、2段ベッドやコンバーチブルベッド(ソファベッド)、ロフトベッドや電動ベッドなどが知られています。
出典:BOBBY BERK
▲ソファにもベッドにもなるコンバーチブルベッドは、ワンルームなどコンパクトな部屋においても重宝する。ちなみに「コンバーチブル(convertible)」とは、「複数(通常2種類)の様式に転換できる」という意味の英語である。
出典:Walmart
▲ロフトベッドとは、高い部分にベッドを設置することで、ベッド下にデスクや収納家具などを置くスペースが確保できるベッドのこと。ベッドに上るための階段やはしごがついていて、見た目は二段ベッドの上部だけのようにも見える。
▼ベッドの計画はこちらで確認!▼
ナイトテーブル
ナイトテーブルとは、寝室のベットの脇に置く小さめのサイドテーブルのことです。
引き出しや棚板などの収納が付いているものや、照明や携帯電話などの充電器を使用するためのコンセントジャックが付属したものもあります。
出典:ディノス
▲収納やコンセントジャック、ブックスタンドなどが付いた機能性の高いナイトテーブル。キャスター付きで移動も用意。
ワードローブ・クローゼット
出典:dショッピング
ワードローブとは衣類を収納しておくための家具のことで、スーツやシャツを掛けられるハンガーレールや、ネクタイ・ベルトといった小物を置く棚付きの商品もあり、衣類を1カ所にまとめて収納できます。
ワードローブは衣類専用の置き型収納設備全般を指す言葉であるため、明確な設備形状が決まっているわけではありません。
ですので、洋服箪笥(タンス)、衣装戸棚、パイプハンガーやポールハンガーなどもワードローブに含まれます。
▲ワードローブはデザインも大きさも様々だが、大きすぎると圧迫感を感じてしまいやすいのでサイズ選びには注意が必要。
ワードローブと混同しやすい言葉に「クローゼット」があります。
クローゼットとは、固定式(据え付け、埋め込み、ひと部屋そのまま利用)の収納スペースのことで、置き型の衣類収納家具であるワードローブと区別されます。
ひと部屋そのまま収納として利用したクローゼットは「ウォークインクローゼット」と呼ばれ、その言葉のとおり「歩いて(Walk)」「入れる(In)」収納部屋のことです。
▲ひと部屋を収納として使えるウォークインクローゼットは、スペースに余裕が無いと作ることが出来ないかなり贅沢な収納であるといえる。
その他の家具
ギャンギングチェア
出典:楽天市場
ギャンギングチェア(ギャングチェア)とは、横に連結して使える椅子のことです。
「Ganging(ギャンギング)」とは英語で「群れ、グループ、集団」といった意味があり、椅子がまさに集合したような機能を持った椅子がギャンギングチェアにあたります。
リフティングテーブル
出典:wp
リフティングテーブルとは、高さを調整できるテーブルのことです。
ダイニングテーブルやリビングテーブル 、デスクやサイドテーブルなど、およそ「テーブル」と名の付くもの全てにリフティング出来るものが存在します。
出典:TIANIZ
▲低くすればコーヒーテーブル、高くすればダイニングテーブルとして使用することができるリフティングテーブル。昇降方法は手動と電動がある。
チェスト
チェストとは、引き出しを持つ西洋タンス(チェスト・オブ・ドロワーズ)のことで、ドロワーは英語で「引き出し」という意味です。
上部に蓋のついた収納箱がチェストの発祥で、古代エジプト時代から衣類のほか重要なものを入れるために使用されていました。
▲古代エジプトで用いられたワニが描かれた木製のチェスト『Chest with Writing』(高さ:28.6 cm、幅:29.9 cm、深さ:35.6 cm)
16世紀末、イタリアで短い脚と引き出しを備えた収納が現れると「チェスト・オブ・ドロワーズ」と呼ばれるようになり、17世紀にはヨーロッパ中に広まって、さまざまな様式に発展しました。
出典:THE MET
▲ヨーロッパからアメリカへ伝わり、18世紀にペンシルバニア州フィラデルフィアで製作されたマホガニー製のチェスト・オブ・ドロワーズ。
コンソール
出典:PEGASUS
コンソールテーブルとは、テーブルの片面を壁面に付けて置かれる、奥行きの狭いテーブルのことです。
コンソールテーブルの上には絵画が飾られたり、花瓶や鉢植えを置いたり写真を飾ったりするなど、実用的ではなく装飾的な用途として用いられることが多いです。
18世紀にヨーロッパの上流階級の間で使われるようになったのが起源とされ、天板の素材には重厚な大理石などが用いられ、脚部は彫刻などで装飾されました。
出典:THE MET
▲18世紀のイギリスで描かれた作者不詳のスケッチ。チェア4脚と中央にはコンソールテーブルが配置され、箱が置かれ鏡や写真が飾られている。
▲コンソールテーブルが置かれる場所は、リビング、ダイニング、廊下など場所を選ばない。
またコンソールテーブルは、片面を壁面に付けるようにして置かれることから、二本足のタイプも多く存在します。
出典:Bukowskis
▲壁に立てかけて使用する二本脚のコンソールテーブル。
基本的に使い方に決まりの無いコンソールテーブルは、現代では引き出しなどの収納がつけられたり、チェアと合わせて置かれてパソコンデスクなどの作業台として利用されることもあります。
出典:Cassina ixc.
▲引出し収納が付けられたカッシーナのコンソールテーブル『1595 CONSOLE TABLE』は、もはやほとんどデスクと化していて、それぞれの違いが曖昧となっている。
ビルトインファニチャー
出典:セキスイインテリア
ビルトインファニチャーとは、あらかじめ壁面などにはめ込まれた(=ビルトイン)動かせない家具のことです。
家具をはめ込むスペースの大きさに合わせてオーダーメイドで製作する場合と、既製品の家具を埋め込む場合があり、どちらにしても室内の出っ張りを減らし、機能的で見た目もすっきりと美しく納めることが出来ます。
また既製品の家具を埋め込む場合は、工場生産によるシステム化されたパーツやユニットを組み合わせた家具が使用されることが多いですが、このような家具を「システム家具(システムファニチャー)」といいます。
出典:Panasonic
▲システム家具は、300、450、600、900mmなど規格寸法が決められていて、それらを組み合わせて部屋内に合うよう設置してゆく。この規格寸法のことを「単位寸法(ユニット)」とも呼ぶ。
システム家具の中でも、自分のライフスタイルに合わせて、基本となる単位寸法(ユニット)の家具を積み重ねたり横に並べたり組み合わせるなど、あらかじめ用意された単位寸法の家具を、縦横に組み合わせてつくる組合せ式の家具のことを「ユニット家具(ユニットファニチャー)」といいます。
▲IKEAのホームページでは、ユニットファニチャーの組み合わせを自分で自由にシミュレーションすることができる。
お疲れ様でした。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
わからないことや分かりにくい箇所があれば、ぜひお問い合わせよりご連絡ください。
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